先日にSonyはカメラ特化型XperiaであるXperia PRO Iを正式発表。ややこしいとは思いますがXperia PRO Iはスマホとしてのカメラを特化したのではなく、カメラとしてのスマホをより進化させた感じです。
すでにカメラに関しても方向性が違いましたが、他のスマホが搭載しているカメラとXperia PRO Iのカメラを比較することが難しくなってきています。価格は19万8000円とお高めですが、Xperia PROを考えるとちょっと安め。
また国内発売に合わせてXperia 1Ⅲの国内版SIMフリーも正式発表。今回はSonyのタッチ&トライに呼んで頂き早速実機を触ってきたので簡単にXperia 1ⅢとXperia PRO Iのファーストインプレッションをまとめたいと思います。
SIMフリーとキャリアモデルの違い。
キャリアモデルの発売から約3ヶ月半遅れでようやくSIMフリーが正式発表。11月19日発売予定なので発売で見れば約4ヶ月のタイムラグがありますが、その分魅力もあります。キャリアモデルと主な違いをまとめると以下のようになります。
キャリア | SIMフリー | |
ミリ波 | ○ | × |
ストレージ | 256GB | 512GB |
SIM | Single | Dual(DSDV) |
キャリアアプリ | ○ | × |
キャリアロゴ | ○ | × |
カラバリ | 3色(キャリアによる) | 4色 |
SIMフリーはDual SIMに対応した上でストレージが2倍の512GBに対応している時点でかなり魅力的です。またもちろんキャリアアプリやキャリアロゴもない。Xperia 1Ⅲは発熱がひどく、その一部の要因としてキャリアアプリの影響ともされています。
Xperia 1Ⅲに限った話ではありませんが、使わないアプリは悪影響を及ぼす可能性があるのでアンインストールをするのが推奨されていますが、キャリアアプリはものによってはアンインストール出来ない。
使わないアプリがアンインストール出来ないとなれば鬱陶しいだけです。ただSIMフリーなら邪魔なキャリアアプリすらない。
また発売が早いのがXperia 1ⅢなのでXperia 1ⅢからになりますがXperia PRO Iと合わせて化粧箱にビニールが使われない環境に配慮した仕様に変更されます。
限定色フロストグリーン。
そしてSIMフリー限定色としてフロストグリーンがラインナップされています。プレス画像を見るよりかっこよかった。かなりシックな色合いで上品さを感じます。
サイドフレームも質感が統一されているためデザインに一体感がありより上品に感じます。
キャリアモデルはミリ波に対応しているためアンテナスリット部分は特殊コーティングで目立たないように加工されていますが、SIMフリーはミリ波非対応ということもあるのか特殊コーティングは施されていません。
とはいえアンテナスリットがない機種がハイエンドにはあまりないので個人的にはそこまで気になりません。
手持ちのグレーと比較するとこんな感じ。好みの問題ですがグリーンの方がかっこいい。正式発表される前はブラックを購入しようと思っていましたが、グリーンの質感が想像以上に良かったので非常に悩ましいです。
また今までのSIMフリーの価格の傾向からau版と同等。18万円前後の価格になるかと思いきや15万9500円と安く感じる。キャリアモデルとタイムラグがあるというデメリットがありますが、Dual SIMや512GBに限定色と考えると付加価値が高い。
さらに期間限定ですが1万円のキャッシュバックで14万9500円で購入可能。キャリアと同等の手厚い保証が欲しい人はSony Storeで購入時に合わせてXperiaケアプランに加入。手軽さを優先したいならAmazonなどでの購入がおすすめになります。
カメラ特化型スマホの実力。
そして異質な進化を遂げたXperia PRO Iのデザインから確認したいと思います。カラバリはブラックの1色。会場の照明も影響しているかもしれませんがXperia 1Ⅲのフロストブラックと比較するとちょっと明るめという感じ。
ただ指紋は目立ちにくく上品さを感じます。
本体上部にイヤホンジャック。カメラが大幅に強化されていますがカメラバンプがそこまでひどくないのも合わせて確認できます。
本体下部はUSB-C。撮影した画像や動画を素早く転送できるようにUSB-C3.2 Gen2に対応で10Gbpsの速度に対応しています。ただ充電面でみるとワイヤレス充電に非対応なのはちょっと残念。
ちょっとピントが合っていないですがSIMトレイとストラップホールを搭載。カメラとして使うからこその搭載だと思います。SIMトレイは表裏型を採用しています。
また左から音量ボタン。親指で隠れていますが電源ボタン。Google Assistant専用ボタンは搭載せずショートカットボタン。そしてデジカメと同じパーツを採用したシャッターボタンを搭載しています。
本体サイズを確認する限りはXperia 1Ⅲより厚みが増したとはいえ持ちやすさに影響なし。またサイドフレームにメタルが採用されていること。また上手い表現を知らないですがこのサイドフレームのスリットのような形状を採用していることもありたしかに滑りにくくなっています。
ただ何より211gという重さは心配でしたが、実機に触れられたと興奮していたこともあり重さは全く気にならなかったです。今後実際に手元に届いてからしっかりと評価したい部分でもあります。
物理ボタンの仕様。
そしてデジカメに採用されているパーツを搭載する程のこだわりがあるシャッターボタン。押した感じはXperia 1Ⅲのカメラキーと比較して軽い。なのでXperia 1Ⅲの感覚で押すと半押しじゃなくシャッターをきってしまう感じに。
ただ慣れてくるとこの軽さがいい。Xperia 5IIのように軽すぎという感じでもなく絶妙。Xperia 1Ⅲの場合は三脚に固定していてもカメラキーが僅かに固く手ブレの原因になっていましたがXperia PRO Iの絶妙な軽さなら手ブレはよりしにくくなる可能性も。
そしてシャッターボタンは従来のXperiaと同じくショートカットボタンの役割も。
アプリ | 動作 | |
シャッターボタン | Photography Proの起動 | 長押し |
ショートカットボタン | Videography Proの起動 | 一回押す |
ビデオを撮影する際には半押しという概念がないこともあるためかショートカットボタンは1回押すだけで起動します。挙動が違うため最初はちょっと焦りましたが、これもSonyの強い拘りだと思います。初期設定ではVideography Proの起動になっていますが好きなアプリを指定することもできます。
1インチセンサーの実力。
従来のphotography Proとインターフェイスはほぼ一緒。ただ24mmのみF値を変更することができるため、それに合わせてUIも僅かに違います。ちなみにF値の変更はBASICモードでもPモードでも全てのモードで変更することができます。
まずF4.0で撮影。
次にF2.0で撮影。他の機種のポートレートのように加工感強めという感じではなくSonyらしくより自然な感じです。
次にF4.0で撮影。
そしてF2.0で撮影。ぼやかしつつもTOFセンサーを搭載しているのでフォーカス精度は悪くない感じです。ただ使っていて気になったこともあります。一つはセンサーサイズが大型化したこともあり最短撮影距離が長くなっていること。
Xperia 1Ⅲと同じ感覚で接写しようとしてもフォーカスが合いません。これは撮影できる被写体が限定されていたので試し切れていません。なので実機を入手したらしっかりと試したいと思います。
そしてもう一つ。F値を変更すれば明るさが変わるのは分かりますが、まず上記の画像はF4.0で撮影。
ただF2.0で撮影すると色味が全く異なることがあります。今回のサンプル画像は全てオートで撮影しており、それが影響しているのか不明ですがちょっと色が違いすぎるので気になります。今回使用したのはテスト機だと思うので発売までにはしっかりとチューニングされることに期待です。
動画とVideography Proの違い。
そして動画専用アプリであるVideography Proについて。photography ProのBASICモードからビデオに切り替えて撮影することも可能。大きな違いを確認すると、瞳オートフォーカスやオブジェクトトラッキング機能など新機能はVideography Proのみで対応。
また撮影中に画角の切り替えをできないことは共通ですがBASICモードの場合は、最初に16/24/70/100から選択することができ撮影中にズーム倍率の変更はできます。
一方で短期間試した感じだとVideography Proは24mmで固定。あとはズーム倍率の変更で最大70mm程度まで拡大。実質3倍程度にできるという感じです。新機能が使える。さらにオート撮影にも対応していることを考えると個人的にはVideography Proを使う頻度がめちゃくちゃ高くなりそうです。
使っていて楽しい。
Xperia 1ⅢのSIMフリーはキャリアモデルと比較してスペックが底上げされたことで汎用性が高くなり、そして安い。一方でXperia PRO Iは短時間しか試せませんでしたが撮影していて楽しくなる。
Xperia 1Ⅲとはまた違った表現が可能になると思うので、普段の自分の環境で使うとどのような写真を撮影することができるのか12月15日の発売が今から楽しみです。価格が約20万円でもXperia PROより安いせいかお得に感じてしまうんですよね。