日本では11月中旬以降の発売予定となっているXperia 5Ⅲ。個人的にはdocomoのタッチ&トライで見たフロストシルバーが早く欲しい。Xperia 5ⅢはXperiaの中で見ればレギュラーモデル。いわゆる無印になりますが、他のメーカーの機種と比較した場合は無印よりは上位モデル寄り。
Pixel 6シリーズで見ればPixel 6 Pro。iPhone 13シリーズで見ればiPhone 13 Proが比較対象と正直絶妙な立ち位置。今回は気になっている方が多い印象があるPixel 6と比較してみたいと思います。
ディスプレイの違い。
まずディスプレイの気になるポイントから確認したいと思います。
Xperia 5Ⅲ | Pixel 6 | |
サイズ | 6.1 | 6.4 |
表示解像度 | FHD+ | |
アスペクト比 | 21:9 | 20:9 |
リフレッシュレート | 120Hz | 90Hz |
Pixel 6が大きいためそんな感じはしませんが、アスペクト比で見れば両機種とも縦長です。
Xperia 5Ⅲのメリットとしては縦長だからこそ一度に表示できる情報量が多い。ただデメリットとしては横幅が狭いため表示されるコンテンツが小さくなりがち。一方でPixel 6も縦長かつディスプレイサイズが0.3インチ大きいこともあり一度に表示できる情報量にほとんど差がない。
そしてPixel 6の方が表示されるコンテンツが大きい。なのでPixel 6と比較するとXperia 5Ⅲのメリットはほぼメリットになっていないです。
ディスプレイの明るさ。
歴代PixelとXperiaはどちらもディスプレイが暗いと言われがち。そして両メーカーともディスプレイ輝度を明らかにしていません。とりあえず比較してみました。まずディスプレイの明るさを30%に設定。
次に50%で撮影。カメラを通してだとほぼ違いが分からないですが、実際に比較すると50%まででXperia 5Ⅲの方が明らかにディスプレイが暗いです。
そして70%に設定。この時点でもXperia 5Ⅲの方が僅かに暗い。100%にしてほぼ一緒という感じです。ただ電池持ちを考慮すると50%以上の設定の場合電池持ちの消費が激しくなるので50%程度。もしくはそれ以下の設定が望ましい。
そうなった時にXperia 5Ⅲのディスプレイの方が暗いと思います。ただ直射日光下だとどちらも見にくい時があります。少なくとも今回の比較だとPixel 6の方が明るいことに違いないですが、Pixel 6も直射日光など厳しい条件下では十分に快適に使える明るさではありません。
GSM Arenaのレビューを確認するとXperia 5Ⅲは600nits程度の明るさ。感覚的にPixel 6は700nits程度かなという印象です。
ディスプレイの色味。
YouTubeを再生してみるとディスプレイの色味が全く違います。下側がXperia 5Ⅲで青みが強いことが一目瞭然。Pixel 6と異なりXperia 5Ⅲはディスプレイの色味を調節することができますが自分は基本していません。
全体的に見ればXperia 5Ⅲの方が色が濃いめ。ただ黒とかもよりはっきりしているので映像に臨場感を感じます。今回のはあくまでもYouTubeを再生しただけですが、Netflixなどでクリエイターモードが有効化されればまた印象が異なると思います。
リフレッシュレートの違い。
Xperia自体がピュアアンドロイドに近いこともありXperia 5Ⅲが120Hz表示に対応しているのでかなりサクサクに感じます。これがPixel 6 Prのように可変式120Hz表示を採用していれば印象が変わったかもしれません。
間違いなくXperia 5Ⅲの方がサクサクです。ただXperia 5ⅢはAndroid11なので、今後Android 12に変われば印象が少し変わるかもしれません。
指紋認証の精度。
ディスプレイと合わせて確認しておきたいのが指紋認証。正直Pixel 6の画面内指紋センサーは問題児だと思います。自分はSpigenのガラスフィルムを使っています。また保険としてタッチ感度を上げるオプションの有効化。
また同じ指を乾燥している時と湿っている時。通常の時と重ねて登録しています。基本は安定していますが不安定になることもあります。一度不安定になると絶望的に反応しなくなります。ただなぜか再起動すると安定します。
快適とは言えないですが安定している時はとりあえず問題なく使えます。
一方でXperia 5Ⅲも同じ光学式の指紋センサーを搭載。ただ搭載場所は電源ボタンに統合されています。少なくともPixel 6のように不安定になることもなく安定。またケースなどをつけたとしてもアクセサリーによる影響は受けません。これだけでもストレスがだいぶ違うと思います。
タッチ感度の問題。
ただ一方でXperia 5Ⅲは個体差があると思いますがガラスフィルムをつけるとタッチ感度に影響がでます。特にジェスチャーナビゲーションの時の前に戻る操作が全く反応しないことも。
今はSpigenのガラスフィルムを貼ってジェスチャーナビゲーションの感度をMAXにして使っているので特段問題なし。両機種ともディスプレイ絡みでちょっと個体差に問題を抱えている。かつアクセサリーとの相性があるとちょっと面倒です。
違いすぎるデザイン。
取り回しの良さは詳細を比較するまでもなくXperia 5Ⅲにアドバンテージがあります。
Xperia 5Ⅲ | Pixel 6 | |
本体サイズ | 157×688.2mm | 158.6×74.8×8.9mm |
重さ | 168g | 207g |
両機種とも持った感じだと思っていたより重く感じる機種です。とはいえPixel 6の方が圧倒的に重いです。
Xperia 5ⅢはGoogle Assistantを起動させる場合専用ボタンを押します。一方でPixel 6は設定にもよりますが電源ボタンの長押しで起動。個人的にはあまり物理ボタンが少ない方がよく、さらに電源ボタンの方が押しやすいという感じですが好みだと思います。
またバックパネルは共通でGorilla Glass 6を採用。光沢のある質感も共通で採用。ただXperia 5Ⅲはカラバリにもよりますが、めちゃくちゃ光沢感が強いです。
Pixel 6より指紋が目立ちやすいというデメリットもありますが綺麗に維持すればかなり高級感を感じます。Pixel 6のカラバリは3色展開。一方でXperia 5Ⅲは国内では最大4色展開。
フロスト加工。つまりマット仕上げを採用したカラバリも2色用意されています。ユーザーの好みによってマット仕上げか光沢感ありのデザインかで選べるのは魅力です。特にマット仕上げはXperia 5シリーズで初めてなのでかなり新鮮味を感じます。
オーディオに大きな差。
Xperia 5Ⅲはデュアルフロントスピーカーを搭載していること。そしてPixel 6のスピーカーの音量が小さいということもありXperia 5Ⅲの方が音の広がりもよく音量も音質も優秀。
ただ気になる部分としては共振問題。同じ音量50%に設定した場合Pixel 6はほぼ共振を感じられませんがXperia 5Ⅲはしっかりと感じます。共振はユーザーにとって捉え方が異なりゲームなどをやる特に邪魔だと感じる人もいれば音が振動として伝わってくるため臨場感を感じるという人もいると思います。
なのでこれはユーザー次第。またXperia 5Ⅲの強みとしてはイヤホンジャックの搭載。さらにイヤホン接続時にたのしめる新機能などオーディオ関連はしっかりと強化されておりここは大きな差となっています。
基礎スペックの違い
まず基礎スペックの確認。
Xperia 5Ⅲ | Pixel 6 | |
OS | Android11 | Android12 |
SoC | Snapdragon888 | Google Tensor |
RAM | 8GB | |
ROM | 128GB | 128/256GB |
SDカードスロット | ◯ | × |
直販モデル(SIMフリー) | × | ◯ |
ユーザーの評価が分かれるところとしてまずSIMフリーがあるかないか。執筆時点でPixel 6のみSIMフリーが発売。ただdocomoのバンドには最適化されていない。一方でXperia 5ⅢのSIMフリーが登場するのはおそらくだいぶ先の話。
ただキャリアモデルにしろSIMフリーにしろキャリアのバンドには幅広く対応している。あとはSDカードもユーザーによって評価が分かれると思います。
発熱問題。
まず負荷をかけるためにAnTuTuを3回連続で回してみました。内部温度は今回の計測では40度を越えいています。おそらく40度がクロックダウンに起点になっている可能性が高い。
次にPixel 6でも同様に回してみました。温度が上がるのはXperia 5Ⅲの方が早い。けど今回の計測でみる限りだとPixel 6の方が内部温度が高くなっています。クロックダウンさせるのがPixel 6の方が早いという印象でしたが、今回の計測では制御しきれずスコアも大幅に下落という感じです。
少なくとも安定性という面ではXperia 5Ⅲの方が上。また2回目で見るとXperia 5Ⅲの方が内部温度は高いですが、放熱はPixel 6の方が頑張っているのか触った印象としてはPixel 6の方が熱いという感じです。
発熱対策としてクロックダウンは分かりやすい手段ですが安定性に欠ける。ただ今回の2機種ではPixel 6の方が不安定という印象を受けます。
電池持ちの差。
そして電池持ちですが詳細な計測はしていませんが明らかにXperia 5Ⅲの方が優秀です。自分の使い方であればXperia 5Ⅲは60%以下になることがほぼないですが、Pixel 6は60%以下になることが多いです。
Pixel 6の最適化が終了次第もう少し改善する可能性がありますが、それでもXperia 5Ⅲに勝ることはないと思います。一方で充電速度は同じく30W。ただXperia 5Ⅲはワイヤレス充電非対応。
なので電池持ちを優先するか。それともワイヤレス充電を優先するかで評価が分かれると思います。
方向性が全く異なるカメラ。
そして最後にカメラを確認していきたいと思います。ただ方向性は全く違う。
今回の撮影においてXperia 5ⅢはPhotography Proのオートモードで撮影。そしてまずXperia 5Ⅲの超広角で撮影。
次にPixel 6で撮影。逆光に近い条件で撮影していますが、Xperia 5Ⅲは空が白飛びしています。何より色味が全く違います。Pixel 6で色味が濃くなったので余計にそう感じるかもしれません。
次にXperia 5Ⅲの1倍で撮影。完全に逆光の環境。
やはりXperia 5Ⅲの方が空が白飛びしていますが、ここまで条件が悪いと、それ以外の部分では黒潰れなど含めてそこまで差があるように感じません。
次にXperia 5Ⅲで2.9倍(70mm)で撮影。
Xperia 5Ⅲがちょっと手ブレが発生していることもありますが、Pixel 6の方が綺麗に撮影できているように感じます。
次にXperia 5Ⅲで4.4倍(105mm)で撮影。
ボケ感に関してはXperia 5Ⅲの方が強い。一方でXperia 5ⅢはPixel 6のようにレーザーオートフォーカスを搭載していることもなければXperia 1ⅢのようにTOFセンサーを搭載しているわけでもない。
なので被写体の認識。フォーカス精度の甘さがちょっと目立つという感じです。
そして次にXperia 5Ⅲで1倍。かつ接写してみました。接写することでボケ感がかなり強くなります。
やはりXperia 5Ⅲのフォーカスの甘さがちょっと目立つ印象。
またXperia 5Ⅲで同じく接写。被写体が影になっている状況で撮影。
同じ被写体でも明るさというか補正が大きく異なります。Pixel 6はセンサーサイズの大型化に加えレーザーオートフォーカスを搭載していることが大きな強みとなっておりフォーカス精度がさすがという感じです。
被写体が動かない場合Pixel 6の方が精度が高い写真を撮影しやすい。一方でXperia 5Ⅲは動く被写体に対しての撮影が強くオートフォーカス速度に速射機能を最大限強化している感じです。
どのような被写体を撮影したいのか。どちらの色味が好きなのかで判断するのがおすすめです。
まとめ。
サイズで選ぶならXperia 5Ⅲ。そして執筆時点でXperia 5ⅢとPixel 6の両方を取り扱っている。かつ価格が判明しているキャリアがauのみなのでauの価格を参考にするとPixel 6が約8万2000円であるのに対してXperia 5Ⅲは約12万1000円と約4万円の価格差があります。
多くのユーザーにとってはPixel 6の方が満足度が高いと思います。ただ何か譲れない拘りなどがある人。それがディスプレイなのかカメラなのかオーディオなのか。本体サイズなのか。高くても拘りが優先だと思う人はXperia 5Ⅲがおすすめです。
少なくとも万人向けでより多く売りたいPixel 6と欲しい人に買ってもらえればいいというXperia 5 Ⅲで価格でもスペックでも特徴が大きく分かれた印象です。気になる人はソフトバンクやGoogle Storeはチェックしてみてください。