プロユースであり最上位ではない。Xperia PRO-Iのよくある勘違い

2021年もあと1ヶ月程度となってきており多くのメーカーは今年の新製品の発売を終えようとしていますがSonyに関しては半導体の影響から例年より遅め 少なくとも国内で見ればXperia PRO-Iが最後の新型Xperia。

1.0型のカメラセンサーを搭載している一方でクロップしていることから優良誤認を起こすのではないかと話題に。今回はXperia PRO-Iのよくある誤解について簡単にまとめたいと思います。

その正式名称。

まずその名称から。YouTubeで頂くコメントを見ている限り分かりにくいとは思いますが間違っている人がいます。Xperia PRO-Iの「I」はimagiingの「I」であり数字の「1」ではありません。

ローマ数字の「Ⅰ」に見えることからもエクスペリア プロ マークワンと見えちゃうかもしれませんが違います。またこの命名規則を採用したことからも今後Xperia PROの派生モデルが登場する可能性もあります。

例えばオーディオに特化した派生モデルがでればXperia PRO-Aみたいな感じになる可能性もあり。ただXperia PRO-Iの後継機種が登場する場合の命名規則をどうするのか謎。Xperia PRO-IIIになるのか。

商品の特徴という面では分かりやすいと思いますがユーザーにとって分かりやすい名称ではないので間違いやすいです。

ズーム機能に力を入れていない。

次に2つ目としてズームに力を入れている機種ではありません。Xperia PRO-Iの動画を公開してびっくりしたのが画素数が1200万画素しかなくズーム性能は大丈夫なのか。天下のSonyも落ちぶれた。このようなコメントがついたこと。

たしかに画素数だけで見ればGalaxyなどが対応しているデジタル30倍ズームや100倍ズームは無理だと思います。ただその前にカメラ構成を確認するとわかるのですがXperia PRO-Iは16/24/50mmの画角に対応しています。

最大で50mmまでしか対応していないこと。50mmは標準の画角とされており人間の目に近い画角とされています。標準画角と呼ばれる50mmまでしか搭載していないことからもSonyの意図は明確で望遠は他のカメラで撮影して下さいとのこと。

言い方がきついと思いますが50mmの画角を見て画素数でズームがどうとか言っている人はターゲットじゃない。Xperia PRO-IはXperia PROと比較すれば一般ユース向けのモデルになっているとはいえ最低限の知識は必要です。

Xperia 1Ⅲとの違い。

Xperia PRO-Iはカメラに特化したモデルであることに違いはありません。ただだからと言ってXperia 1Ⅲの上位モデルとは言い切れません。

Xperia 1Ⅲ以上の性能のカメラは要らない。これ以上のカメラスペックになるのであれば専用機を購入するとかよく言われますが使い方が大きく違います。

Xperia 1ⅢにあってXperia PRO-Iにないものは先ほどの話とも少し重複しますが望遠レンズです。Xperia 1Ⅲは光学式2.9倍の70mmに加え可変式望遠レンズを搭載しているので光学式4.4倍の105mmに対応。

ざっくり言ってしまえば2倍以上のズーム撮影をしたい人はXperia PRO-IではなくXperia 1Ⅲを選ぶべきです。またXperia PRO-Iは1インチの大型カメラセンサーを搭載しているため最短撮影距離が長くなっています。

Xperia 1Ⅲの24mmは1/1.7インチでセンサーサイズが地味に小さい。ただその分被写体に寄って撮影できます。

Xperia PRO-Iも16mmに変えて接写しようとすればマクロモードに切り替わるためある程度寄れますがそれだと特徴である1インチの魅力を活かすことができません。

なのでざっくり言ってしまえば接写及び望遠を使いたいとなればXperia 1Ⅲでスマホのカメラとして見た時Xperia 1Ⅲのカメラの方が汎用性が高いです。なのでユーザーが何を求めるかでXperia PRO-Iのカメラが必ずしも上位モデルとは言い切れないです

1.0型センサーの強み。

一方で強みとも言えるのがボケ感です。海外のYouTubeレビューを見ると標準である50mmでもボケ感がいい感じ。さらに24mmはF2.0にF4.0とF値を変更することが出来るのでボケ感を任意に調整できるのは魅力の一つです。

中華スマホのハイエンドモデルを中心により大きいカメラセンサーを搭載する流れとなっています。ポートレートモード撮影でデジタル処理をしなくてもセンサーサイズが大きければ光学式で勝手にボケます。

ただ被写体によってボケ感が強い方が良い時と弱い方がいい時があります。

例えば桜の花びらを撮影する場合はボケ感が強い方が雰囲気ができますが桜の木全体を撮影する時はそこまでのボケ感が必要ありません。また撮影する人が多い料理ですがセンサーサイズが大きいスマホだと変にボケてしまいマイナスになる面も。

Xperia PRO-Iの場合は2パターンとはいえボケ感を被写体に合わせて変更できるのは魅力です。

何より24mmのカメラセンサーが全ての中心でセルフィーを撮影するのは多くのユーザーがインカメラを使う中Sonyは24mmのリアカメラを使って欲しいためVlogMonitorなど周辺アクセサリーを用意しているくらいです。

クロップのメリット/デメリット。

一方で1インチの大型センサーを搭載しているのに実際にはクロップしてセンサーの60%しか使っていないと批判。ユーザー次第ですが画素数が約2倍の2000万画素と高速オートフォーカスのどちらがいいとなれば自分はフォーカス。

自分は走り回る子供を撮影する時が多いためオートフォーカス性能が高い機種の方が汎用性が高い。よく対比として使われますが同じ1インチのカメラセンサーを搭載しているAQUOS R6。

大きな差としてはオートフォーカスやはり1インチという大型センサーを搭載しているため最短撮影距離が長い。そしてオートフォーカスが遅すぎて自分の用途に合わずすぐに手放しました。ただこれはユーザーの用途によります。

被写体が動かない場合や風景を撮影する場合。ライカ監修のカメラソフトもあるので高画質に撮影できます。ただ臨場感がある写真を撮影したい場合オートフォーカスが遅いため相当難しいという感じです。

少なくともSonyは開発の段階でフォーカスと画素数のどちらを優先するかと考えた時にフォーカスを優先した感じ。

デメリット。

クロップしてることに対してデメリットになるのが画素数が落ちるため解像度が足りなくなる可能性も。少なくともA1のサイズに印刷したサンプル画像を見ましたが12MPでも十分な解像度に感じます。

撮影した写真を巨大に印刷をする時には向かない。また撮影した写真をさらにクロップして使いたい場合も粗が目立つ可能性。

メリット。

一方でメリットはどんな感じなのか。まずクロップして画素数を制限しているからこそXperia 1Ⅲと同等の秒20コマの高速撮影や高速オートフォーカスに対応できていること。

またオートフォーカスのカバー範囲の拡大。同じセンサーを採用しているRX100VIIは撮像エリアの68%をカバーしていますがXperia PRO-Iは撮像エリアの約90%とカバーエリアが大幅に拡大しています。

ほぼ画面内全ての範囲がオートフォーカスエリアということに。さらに感光性能は1インチという大型センサーのメリットを活かしてより明るく撮影可能 またクロップしていることでセンサーの中央を使うため歪みが少ない。

またセンサーを常にフルに使うことを前提にしていないため本体の薄型化にも貢献しています。ちなみにAQUOS R6の厚みは9.5mmに対してXperia PRO-Iは8.9mmと薄くより普通のスマホに近いサイズ感に。

カメラとして見た場合。そしてスマホとして見た場合のバランスを取る上でクロップが一つの答えになったと思われます。

まとめ。

開発者インタビューを確認するとXperia PRO-Iはカメラが好きな人のセカンドカメラのポジションを目指したとしておりSonyのαシリーズと同じ感覚で撮影できるスマホを目指したとされています。

プロでない限り写真や動画を撮影するのは自己満足の世界だと思いますがXperia PRO-Iの難しいところは撮影するユーザーによって良くも悪くもなること スマホのカメラのようにAIでばちばちに補正してくれない。

なので下手な人が撮ればひどい写真になるだろうし上手い人が撮ればスマホのクオリティーを超えると思います。だからこそファンにとっては刺さるスマホなんだと思います。

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文章で伝えられない魅力を

機種のスピーカーの音質や動画性能など文章だとなかなか伝えにくいことがあります。この伝えにくい部分をYouTubeでぜひご確認ください。

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