以前はハイエンドモデルであっても2年に1回は機種変更しないとなかなか厳しいものがありましたが最近のスマホはミドルレンジであっても成熟度が高くなってきておりすぐに壊れたりしない。
市場が飽和期に入っていることもあり買い替えサイクルが長くなってきている中他のメーカーの機種と比較してもここ近年のXperiaの進化は著しいと感じることが多い。
今回はまもなく3年になるXperiaの2019年モデルと2021年モデルでどの程度違うのかまとめたいと思います。
ディスプレイの違い。
少なくともSonyが迷走していたことを認めているように2018年までのXperia Xシリーズと2019年以降の現行シリーズでは大きく違います。さらに現行シリーズの第1弾となった2019年モデルと2020年モデルでも大きな違いを感じます。
Sonyは他社と異なり新しいコンセプトを採用。また言い方は悪いですが他社と比較すると完成度が低かったからこそ余計に進化を感じやすい。記事執筆時点ではXperia 1ⅣやXperia 5Ⅳなど正式発表されていないため詳細は不明。
なので今回はXperia 5とXperia 5Ⅲを例にポイントを比較していきたいと思います。まず実使用においてSoCよりも違いを実感しやすいディスプレイで最大の違いはリフレッシュレート。
Xperia 5 | Xperia 5Ⅲ | |
ディスプレイサイズ | 6.1インチ | |
表示解像度 | 250×1080 | |
画素密度 | 449ppi | |
アスペクト比 | 21:9 | |
リフレッシュレート | 60Hz | 120Hz |
画面占有率 | 80.52% | 81.34% |
ディスプレイサイズや表示解像度にアスペクト比に画素密度などスペックは基本一緒です。違うのは大きく3つあり一つ目としてはXperia 5Ⅲの方が新しい世代のディスプレイを採用。
そして2つ目としては画面占有率。Xperia 5Ⅲの方が僅かにベゼルがスリム化されています。最後に一番の違いとなっているのが120Hz表示。Xperia 5は60Hz表示となっており普通。
ただXperia 5Ⅲの120Hz表示に一度慣れてしまうともう戻れなくなるくらいサクサク動きます。Xperia 5Ⅲの方が2倍画面が更新されているためより滑らかに表示されます。
そのためスピード自体は変わっていませんが表示が滑らかになることで速く動いているように感じます。
ゲームをやらないから関係との声はいまでもよく聞きますがTwitterやChromeなど基本動画以外は120Hzで表示してくれるためゲームに関係なくかなりサクサク動いている感じがして久しぶりに60Hz表示対応の機種を使ってみると動作がかなりもっさりしているように感じるくらい。
むしろゲームに関しては全てのゲームで120Hz表示をしてくれるわけではなく対応タイトルのみです。ただ120Hzにタイトルが対応していても本体のGPUなどパフォーマンスによっては表示出来ない事も。
なので個人的にはゲームをやる時よりも日常的な動作の方が恩恵を受けることが多いように感じます。正直中毒性がかなり高い。
サクサク動く=最新機種だからという思っている人も多いですがここ数年のハイエンド向けSoCはベンチマーク上で進化していてもオーバースペックなので実際に使っていて違いを実感しにくい。
むしろSoCよりもリフレッシュレートの方が実感しやすい。上手く言葉で説明できませんが120Hz表示に対応しているだけでも快適さが全く違います。
電池持ちと発熱。
次に基礎スペックの部分ですがここはユーザーの使い方次第。まず電池持ちからみたいと思います。
Xperia 5Ⅲが搭載しているSnapdragon888は発熱がひどく燃費が酷いと評価されていますが海外サイトが公開したバッテリーテストを確認するとXperia 5は96でXperia 5Ⅲは100。
もちろん負荷がかかるゲームなどを長時間やれば発熱に差が出てくるので結果は変わってきますが同じテスト条件であればXperia 5Ⅲの方が電池持ちはいいです。
Xperia 5 | Xperia 5Ⅲ | |
バッテリー | 3140mAh | 4500mAh |
充電速度 | 18W | 30W |
ワイヤレス充電 | × | |
HSパワーコントロール | × | ○ |
ただ搭載しているバッテリー容量が全く違うのでパワープレーで解決しているとも言えますが120Hz表示にも対応していることを考えると電池持ちはかなり頑張っています。
ちなみにバッテリー容量が大型化していることもあり充電速度も強化。ただ悲願のワイヤレス充電にはいまだ非対応というところがちょっと残念。
同サイトのテスト結果をみる限りではXperia 5IIからXperia 5Ⅲへ機種変更じゃない限りXperia 5Ⅲの電池持ちはハイエンドXperiaの中では優秀なので心配はそこまで必要ないです。
ただ発熱には正直不安が残ります。一方で発熱対策としてゲームをやるユーザーにとって嬉しいのがゲームエンハンサー機能が強化されていることでHSパワーコントロールに対応していること。
両機種ともハイエンドモデルとしては電池持ちが安定している方ですがゲームをやるとなると別の話。やはり長時間やるユーザーは充電しながらになると思いますが充電するとどうしても発熱します。
HSパワーコントロールは充電ではなく給電にすることで充電による発熱よりは控えめに。充電している時よりはまだ給電の方が発熱しにくいよねという感じです。
ちなみに勘違いしている人が多いですがHSパワーコントロールは本体の発熱を制御する機能ではない。あくまでも充電している時よりは発熱しないだけで給電であっても発熱はします。
ただ電池切れの心配をしたくない。そして発熱は出来るだけ抑えたい人にとっては嬉しい機能です。何よりSnapdragon888の発熱はひどい。さらにXperia 5Ⅲの方が放熱対策が強化されているためより熱く感じるシーンが多いと思います。
なので内部温度以上に不安に感じることは多いと思います。
指紋認証の改善。
そして特に20219年モデルで話題となったのが指紋認証。Xperia Z5シリーズ以降指紋認証を採用。ハイエンドで見ればXperia XZ2シリーズとXperia XZ3以外は基本側面に指紋認証を搭載。
ただ2019年モデルはAppleの特許対策から電源ボタンに統合せず独立して搭載されています。一方で採用された指紋認証が悪かったのか。それともその形状もダメだったのか判然としませんが指紋認証が使い物にならないと話題になりました。
ただXperia 5Ⅲではそこまで心配する必要なし。もともと指紋認証との相性が良くない人。また水仕事などで指紋がなくなりがちな人。さらに季節的に指が乾燥しがちな人は別の話かもしれませんが個人的には特段問題ないと思っています。
Xperia 1の時などは確かに同じ指の指紋を複数回登録していましたがXperia 5Ⅲは1回で十分。個人的には不自由したことがなく少なくとも2019年モデルと比較すればかなりマシかなという印象。
うろ覚えで申し訳ないですが2020年モデルで光学式指紋センサーを採用してから格段にいい。なので2019年モデルでストレスを抱えた人も2021年モデルではそこまでストレスじゃないと思う。
スピーカーの改善。
そしてXperia 5の実機がもう手元になくて実際に比較できなくて申し訳ないですがスピーカーに関しては全く違う印象。Xperia 5はステレオスピーカー+Dolby Atmosに対応。
2020年モデルではさらにデュアルフロントスピーカーにSonyの独自チューニングを採用。そしてXperia 5Ⅲではさらに本体のスピーカーで360 Reality Audioが再生可能になっています。
Xperia 5Ⅲはスピーカー利用時の共振がユーザーの使い方によっては大きなデメリットに。ただ音の広がりや音質の改善。また音量自体もしっかり改善されておりイヤホンジャックもあります。
また360 Spitial Audioにも対応など有線でもワイヤレスでもしっかり進化を実感できます。
カメラの使い勝手。
そして最後のカメラですがまずXperia 5にある超広角の切り替えの際のもたつきは全くない。なので画角の変更がかなりシームレス。さらにXperia 5はメインカメラセンサーのみSony製。
超広角にしろ望遠にしろチューニングの甘さなのか色味や画質が統一されていないのがネック。Xperia 5Ⅲは少なくともSony製で統一されているためそれだけでも使いやすくなっています。
またカメラソフトによる補正は最低限という感じですが世代を重ねるごとに白飛びなどは改善。
さらに2020年モデルからカールツァイスレンズを採用したことで特に接写した時の色の深みやボケ感に関しては確実に進化していることを確認できる今までのXperiaのカメラと一味違う。
またAIを駆使したタップした被写体にフォーカスが追従するオブジェクトトラッキング機能や秒20コマのバースト撮影なども魅力。Xperia 5の時はコンセプトに対してハードが追いついていない。
ただ2020年モデル以降は追いついてきており被写体が動体の撮影にはかなり強いです。
一方でPhotography Proの搭載により画角ごとのズームで従来のシームレスな切り替えは不可能など癖はかなり強くなっているのでユーザーにとっては使いにくくなったと感じるかもしれません。
まとめ。
Xperia 5が発売された当時のドコモ版の価格を見ると8万7912円でXperia 5Ⅲは11万3000円。パンデミックの影響による原材料や人件費のコストが増加。 さらに半導体の値上げなどの状況の中なんだかんだ2万5000円程度しか値上げされておらずめちゃくちゃ高い訳ではありません。
Xperia 5ⅢはXperia 5IIの完成度が高すぎたからこそ物足りなさを感じる部分もありますがXperia 5と比較すればめちゃくちゃ進化を実感できます。ここまで分かりやすく違いを感じる機種は他のメーカーではない。
ただ逆に言えばXperiaの完成度も高くなってきたので今後進化を実感しにくい可能性もあり特に2019年モデルとそれ以降では実感しやすいと思います。
Xperia 5Ⅳが上半期に登場するか不明ですがXperia 5など2019年モデルからの乗り換えはXperia 5Ⅲを選んだとしてもXperia 5Ⅳを選んだとしても快適になると思います。