前モデル対比でXperia 1Ⅲが大幅に進化を遂げたこと。またXperia 5シリーズの特徴かと思っていた120Hz表示に対応したことで、シリーズの区別が分かりにくくなり、Xperia 5ⅢはXperia 1Ⅲと比較するとどうしても物足りなく感じてしまいます。
ただXperia 5シリーズの特徴といえば安定性。先日にはXperia 5Ⅲの台湾モデルを購入しましたが今回は今年のプレミアムモデルであるXperia 1Ⅲと比較してみたいと思います。
①軽さは正義。
手持ちにあるのはXperia 1Ⅲが docomo版/グレーでXperia 5Ⅲが台湾版/グリーンとなっています。
Xperia 1Ⅲ | Xperia 5Ⅲ | |
本体サイズ | 165x71x8.2mm | 157x68x8.2mm |
重さ | 188g | 168g |
スペック。そして店頭でパッと見た感じだとあまり大きさに違いはないように感じるかもしれません。ただ実際に使っていくとこの大きさはかなり違く感じます。
持ちやすさに直結する横幅ですが僅か3mmしか違いがありませんが、この3mmの違いはかなりの差。厚みが一緒でそして重さがXperia 5Ⅲの方が20g軽いこともあり、圧倒的にXperia 5Ⅲの方が持ちやすく片手操作しやすい印象を受けます。何よりこの差は正義。
今までであればXperia 1シリーズのみがフロスト加工が採用されると思いきや、Xperia 5Ⅲは国内限定色としてフロストブラックとフロストシルバーがラインナップされています。Xperia 1Ⅲは全色フロスト加工。一方でXperia 5Ⅲはグリーンやピンクなど光沢感強めのカラバリも選べるので楽しいと思います。
自分はフロスト加工が施されたたカラバリが好きなのでXperia 5Ⅲはフロストシルバーを予約しました。持ちやすさを優先して全体的に丸みを帯びたデザインがXperia 5Ⅲ。どちらかといえば角ばったデザインを採用したのがXperia 1Ⅲ。個人的にはXperia 1Ⅲのデザインの方が好きです。
ただ手首の調子が悪い今Xperia 5Ⅲの軽さはかなり重宝しています。
②見やすいディスプレイ。
Xperia 1Ⅲが120Hz表示に対応したことで大きな差となったのが表示解像度です。
Xperia 1Ⅲ | Xperia 5Ⅲ | |
ディスプレイ | OLED | |
ディスプレイサイズ | 6.5インチ | 6.1インチ |
表示解像度 | 3840×1644 | 2520×1080 |
アスペクト比 | 21:9 |
4Kに対応していることも強みだと思いますが、それだけではなくXperia 1Ⅲの方が見やすい印象。
まずYouTubeなどを再生してみると、Xperia 1Ⅲが4Kに対応していることもあり色がより鮮やかに表現されます。その結果臨場感が出ます。黒がより強調されている感じです。
また本体サイズに関係してきますが、Xperia 1Ⅲの方が横幅が広いため僅かとはいえ表示されるコンテンツが大きいです。Xperia 1Ⅲもそこまで大きく表示できるわけではありませんが、Xperia 5Ⅲよりは大きく感じます。
またXperia 1Ⅲは出荷前にディスプレイキャリブレーションがされているため、より色を忠実に表現できるように調整されています。そのため白がより白で表示されディスプレイが明るく感じ、黒がより黒で表示されるため、臨場感が増します。
4Kという付加価値に加え、多くのユーザーが気にする見やすさという面でもXperia 1Ⅲにアドバンテージがあるように感じます。
タッチパネルの感度。
個体差があると思いますがXperia 5IIの時に一番のネックだったのがガラスフィルムを貼った場合、タッチパネルの感度が悪化。Xperia 1Ⅲでも同様に発生しましたがアップデートで無事解決。そしてXperia 5Ⅲではどうなったのか。まだ現時点だとAmazonで販売されているガラスフィルムの選択肢がほぼないので要検証ですが、Xperia 5IIのようには悪くない。
ただXperia 1Ⅲと比較した場合は、Xperia 1Ⅲの方が感度が上で、四隅などXperia 1Ⅲで軽くタッチして反応する動作でもXperia 5Ⅲだと反応しない時が多いです。今後アクセサリーをしっかり探しますが、タッチ感度の問題がXperia 5Ⅲで完全に解決されたとは言えない状況にあります。
スピーカーに差あり。
両機種ともデュアルフロントスピーカーは共通。また搭載しているスピーカーもフルステージステレオスピーカーと一緒です。ただ実際に聞き分けてみると違います。
Xperia 1Ⅲはスピーカーの構造を見直し前モデル対比で40%音圧が改善。Xperia 5Ⅲも本体のスピーカーで360 Reality Audioが再生できるようになったとはいえスピーカーの構造は1から見直しがされていない可能性大。
そのせいかXperia 1Ⅲの方が音量が大きい。またXperia 1Ⅲで再生した後にXperia 5Ⅲで再生してみると音が少しぼやけているように感じます。Xperia 5Ⅲでも音質は上々ですがXperia 1Ⅲとしっかりと比較してみるとちょっと物足りなさを感じます。
また本体への共振問題ですが、Xperia 1Ⅲは全くないわけではないが前モデル対比で確実に改善されている。一方でXperia 5Ⅲはむしろひどくなった印象。明らかに差を感じます。また通知音がなった場合のバイブやロックを解除したバイブもXperia 5Ⅲの方が明らかに大きいです。
本体の共振はユーザーの捉え方次第で、不快に感じる人もいればスピーカーの共振によって臨場感が増し、バイブが強くなったことでより分かりやすくなったと捉えることも。ただ共振の改善を期待していたユーザーにとってはXperia 1Ⅲが明らかにおすすめという感じです。
指紋認証の進化。
Xperia 1Ⅲは前モデル対比で指紋認証が進化。ハード自体が進化しているのかチューニングの問題なのか不明ですが、今までのXperiaは丁寧にゆっくりやらないと認証を失敗することが多かったですが、連続でテキトーにやっても認証できるようになりました。
ただXperia 5ⅢはXperia 1Ⅲと同じ感覚で認証しようとするとついてこれない感じです。認証された時のバイブはなってもホーム画面が開くまでのタイムラグがXperia 1Ⅲ以上にあります。何が原因なのか不明ですがXperia 1Ⅲほど進化しておらずちょっと中途半端に感じてしまいます。
オートフォーカスの差。
カメラのスペック的には12MP+12MP+12MPと同じで差があるのはTOFセンサーをXperia 1Ⅲのみが搭載されていること。なのでカメラ部分の大きさもXperia 1Ⅲの方が大きいです。
①風景を撮影してみた。
まずXperia 5Ⅲの16mmで撮影。
次にXperia 1Ⅲの16mmで撮影。自分の目だと違いはほぼないように見えます。
次にXperia 5Ⅲの24mmで撮影。
そしてXperia 1Ⅲの24mmで撮影。Xperia 1IIとXperia 5IIの時はチューニングの差なのか僅かに違いがありましたが、Xperia 1ⅢとXperia 5Ⅲでは同じに見えます。
そしてXperia 5Ⅲの70mmで撮影。
そしてXperia 1Ⅲの70mmで撮影。この時風が強くてフォーカスがずれたことも影響しているかもしれませんが、Xperia 5Ⅲの方が明るめに撮影できています。
②接写してみた。
次にXperia 5Ⅲの24mmで接写してみました。
次にXperia 1Ⅲで同じく撮影。Xperia 1ⅢはTOFセンサーを搭載しているため写真からもフォーカスが合っている部分がはっきりと分かります。一方でXperia 5Ⅲは全体的にぼやっとした感じ。Xperia 1Ⅲの方がより臨場感を感じます。
次にXperia 5Ⅲの24mmで撮影。
次にXperia 1Ⅲで同じく撮影。Xperia 1Ⅲも完璧とはいえませんが、葉っぱのギザギザしている部分をXperia 5Ⅲよりしっかりと認識しています。甘い部分もありますが、TOFセンサーの差が出ているように感じます。
そしてXperia 5Ⅲの105mmで接写してみました。
同じくXperia 1Ⅲで撮影。ちょっと手ブレしちゃいました。比較的大きな被写体でもTOFセンサーの有無の影響を確認することができます。また被写体が小さい場合、まったく異なりXperia 5Ⅲではなかなかピントが合わない被写体でもXperia 1Ⅲではピントをしっかりと合わせてくれます。
ピントの合わせやすさは特にポートレートとして使える105mmでも影響。思っていた以上にXperia 5Ⅲのフォーカス精度が進化していないこと。2020年モデルと比較してもより差が大きくなった印象を受けます。
発熱と電池持ち。
そして最後にSnapdragon888を搭載していることからも気になるユーザーが多い発熱と電池持ち。
まず発熱と電池持ちが悪いと言われるXperia 1ⅢでAnTuTuを3回連続で回してみました。
次にXperia 5Ⅲでも同様にテストしてみました。なぜかよく分からないですけど1回目の途中でフリーズするハプニングが3回連続で発生。そのため挙動が不安定で、内部温度もかなり高くなっており、さらにスコアも60万点前半と微妙な感じです。
まだベンチマークを大してまわしていませんが、一度不安定になると発熱含めてかなり不安定。ただ安定している時はXperia 1Ⅲと比較しても発熱がしにくいです。まだ電池持ちは明らかにXperia 5Ⅲの方が優秀です。
今回のテストでもXperia 5Ⅲは9%消費したのに対してXperia 1Ⅲは13%消費しています。ベンチマークでの消費以上にXperia 5Ⅲの方が電池持ちが優秀です。
完成度はXperia 1Ⅲ。
Sonyがどのような意図でXperia 5Ⅲを上半期に正式発表したのか不明です。ただ前モデルと期間があまりあかなかったことが影響しているのか進化しきれていない印象が強いです。Xperia 1Ⅲと比較するとXperia 1Ⅲの方が細部までしっかり作り込まれていることを実感することができます。
一方でXperia 5ⅢはSnapdragon888搭載機種とはいえ発熱も電池持ちもまだ安定している印象を受けます。Snapdragon888ではないSoCを搭載していれば。Snapdragon888が爆熱SoCでなければどんなによかったかと思ってしまいます。
すでにXperia 5Ⅲはソフトバンクオンラインショップなどで予約を開始しているので気になる人はチェックしてみて下さい