Appleが革新的と言われていた頃は毎年喜んで購入していたiPhoneですが、近年はAndroidの完成度が高くなったこと。また最先端技術をいち早く搭載してくれることもありAndroidの方が魅力的に感じることが多い。
一方でここ数年のiPhoneを見るとほぼ変わらないデザイン。あまりパッとしないスペックと正直魅力に欠ける感じでしたが、9月下旬に発売されたiPhone 13 Pro Maxを約1ヶ月使って非常に完成度が高いと感じたので改めてレビューをしたいと思います。
めちゃくちゃ重い。
iPhone 13シリーズはスペック別かつサイズ別で4モデル構成に。その中で最も大きいのが名称の通りiPhone 13 Pro Maxです。大型モデルが好きな自分にとってはiPhone 13 Pro Max一択ですがそれにしても重いです。
機種名 | 重さ |
iPhone 13 Pro Max | 238g |
Galaxy S21 Ultra | 228g |
Galaxy Z Fold 3 | 272g |
ライバル機種の中でも重量級と言われるGalaxy S21 Ultraの方がより大きなディスプレイを搭載しながらも軽い。さらに折りたたみ式機種であるGalaxy Z Fold 3と比較するとiPhone 13 Pro Maxの方が軽いですが、本体サイズを考えるとGalaxy Z Fold 3の方が大きいため感覚的に軽く感じるくらいです。
Spigenの純正ケースとガラスフィルムを装着して287gと重め。結構シンプルな組み合わせを選択しているように感じるので、これで手帳型のケースなどものによっては300gを超えてくる可能性もあります。
元々手首の調子が悪かったこともありますが、iPhone 13 Pro Maxをがっつり使っていたこともあり手首が完全にいかれました。アスペクト比の変更などでせめて持ちやすく改善して欲しいとは思いません。
ただ本体のスペックに比例しているのは分かりますが重くなりすぎです。これ以上今後重くなってしまうと自分のように大型モデルが好きでも使えない。腱鞘炎になると思って避けざるを得ない人も出てくると思います。
カメラデザインとメンテナンス。
巷ではタピオカレンズとよく批判されていますが個人的には何とも思いません。正直カメラデザインがかっこいいと思う機種なんて一握りでほとんどの機種はデザインに違いはあれどどれも一緒に感じ自分の中では重要視していません。
ただ一つ気になるのはレンズそれぞれが独立したデザインなので、その隙間に汚れがが溜まりやすいこと。またこの隙間が中途半端に狭いためメンテナンスをしにくい。
カメラバンプをなくすこと自体は難しいのかもしれませんが、せめてレンズそれぞれのバンプはなくして欲しい。デザイン全体で見ればマット仕上げを採用していることもあり高級感を感じAppleらしいデザインです。
ただ毎年のように言われているカメラバンプと本体の重さが改善するどころか、今年はさらに悪化しているのが残念です。
ポートレートモードの最短撮影距離。
写真の色味に関しては好みがあると思います。良く言えばHDRが改善されていること。悪く言えばどんどん色味が濃くなっているように感じます。少なくともAppleが目指しているのは簡単に綺麗な写真を撮影できること。
なのでしっかりと白飛びなど補正してくれる写真が撮影できます。ズーム機能はAndroidと比較すると弱めですが分かりやすい写真が撮影できる機種。ただ気になるのがポートレートモード。
Appleは特に人をいかに綺麗に撮影できるかを重要視している感じがします。なので植物など被写体が小さくなるとピントが合わないことが多い。
やっとの思いでピントがあっても、今度は被写体をしっかりと認識しきれていないので上記の画像のように何が浮いているような写真になります。ハードの問題もあると思いますが、カメラのアルゴリズムの方にもまだまだ改善の余地があるように感じます。
マクロ撮影は確かに被写体に接近して使えますが、正直画質という面ではイマイチに感じて個人的にはあまり使う気になれず、また当たり前ですがボケ感もないのでポートレート撮影の代わりになるものでもない。
ただ「人」を撮影する時はいい感じに撮影できます。この写真を撮影した時はすごく天気が良かったという感じではありませんが、それでも十分に明るく撮影できています。
多少髪の部分が上手く認識できていませんが、そこまで極端に気になるわけではありません。撮影する被写体によって評価が分かれるところ。最短撮影距離が長いので、中距離の大きな被写体は得意。近距離の小さな被写体は苦手。
普段どちらを撮影することが多いかでユーザーを選ぶ機種だと思います。
ディスプレイは文句なし。
もともと評価の高いiPhoneのディスプレイですが、個人的には文句なし。非常に発色もよく明るく見やすい。正直ノッチの小型化とかどうでもいいくらい。
スペックだと分かりにくい良さに感じます。
また現時点では純正アプリのみ対応している120Hz表示。Androidのようなサクサク感は可変式を採用していることもありそこまで感じませんが、めちゃくちゃヌルヌル表示される感じです。個人的にはiPad Proの120Hz表示ともまた違う印象。
iPhoneの弱点の一つだった高リフレッシュレート非対応がしっかり改善されたのは大きいです。
電池持ちが良すぎる。
最初の初期設定後は発熱もしやすく電池持ちも普通な感じがしましたが、発熱はゲームをほとんどやらないこともありほとんど感じません。長時間Kindleなどを使っているとSnapdragon888搭載機種はほんのり暖かくなったり熱くなる機種もありますがiPhone 13 Pro Maxはそうならない。
今年のスマホの一つが発熱ですが、発熱をしにくいのは大きなアドバンテージに感じます。そして何よりびっくりするのが電池持ちの良さ。
自分が直近で使った機種の中で圧倒的に電池持ちの良さを感じたのがGoogle Pixel 5a 5G。そのスコアは122でiPhone 13 Pro Maxとほぼ同じです。ただiPhone 13 Pro Maxはハイエンド向けのSoCを搭載しており一番消費電力効率が悪化しやすいディスプレイスペックも全く違う。
それなのに電池持ちが同等と考えるとかなりやばいです。自分が今年使ってきた機種の中でiPhone 13 Pro Maxの電池持ちが最も良く感じます。自分の使い方であれば2日以内に電池切れを起こす心配もほぼないくらいで、おそらく3日は持つと思います。
重さか電池持ちか。
本体が重くて使いにくいならiPhone 13 Proを選べばいいと言われますが、そう単純な問題ではありません。そもそもiPhone 13 Pro自体が200gオーバーと本体サイズを考えると重すぎるのも原因。
機種名 | スコア(前モデル) |
iPhone 13 mini | 75(69) |
iPhone 13 | 89(84) |
iPhone 13 Pro | 85(81) |
iPhone 13 Pro Max | 121(95) |
またGSM Arenaのバッテリーテストの結果を確認すると、iPhone 13 Pro MaxとiPhone 13 Proでは電池持ちに差がありすぎること。たしかにiPhone 12シリーズと比較するとiPhone 13シリーズ全体で電池持ちが改善しています。
ただその中で電池持ちがいいと評価できるのはiPhone 13 Pro Maxくらいです。個人的な感覚としてスコアが90前後は普通。85前後が微妙。80以下は悪いという印象で、iPhone 13が普通か微妙。iPhone 13 Proは微妙という感じです。
持てなきゃ元も子もないのかもしれませんが、iPhone 13 Pro Maxの電池持ちはそれだけ魅力的です。iPhone 12シリーズの時はProとPro Maxでカメラにも差がありましたが13シリーズではなくなっており、単純に本体サイズとディスプレイサイズの違いと思うかもしれません。
ただ電池持ちに関しては絶対的な差があるのでこれから購入を考えている人は電池持ちもしっかりと考慮した方がいいと思います。
シネマティックモードは革新的。
実際に使ってみてこれは久しぶりのスマホの新機能でワクワクしました。デジカメのようにセンサーサイズによる光学ボケではなくAIによるボケのためフォーカスと加工が甘いこともあります。
ただここまで完成度が高く撮影できるのは他のスマホにはないです。ある程度被写体が近づくとボケ感が出て離れると通常の撮影になるなど切り替えも上手く、子供を撮影している時も非常の楽しい。
もともと動画はiPhoneにアドバンテージがありましたが、このシネマティックモードはさらに動画に強みをもたらしたように感じます。
今季最も安定したハイエンドモデル。
まだ今後登場するAndroid機種もありますが現時点で最も安定しているハイエンドモデルに感じます。発熱もひどくなく電池持ちは圧倒的。またディスプレイは見やすくヌルヌルと楽しい。
自分はその重さに耐えきれずあまり積極的に使えませんが、この重さが大丈夫なユーザーにとってはおすすめしやすい。特に今年のAndroidはSnapdragon888のせいで不安定ということもあり、よりiPhone 13 Pro Maxの方が安定しているように感じます。
もうまもなく発表されるGoogle Pixel 6 ProがiPhoneキラーになるのか非常に楽しみです。気になる人はソフトバンクなどオンラインショップをチェックして見てください。