どのメーカーにも言えることですが2021年の最新機種は半導体不足の影響か全体的に遅め。元々半導体不足に関係なく遅めのSonyはさらに遅くなっておりようやく最新機種であるXperia PRO-Iが発売。
今回はXperia PRO-Iがようやく手元に届いたので開封レビューをしてみたいと思います。
ざっくり開封。
付属品は説明書のみでXperia 1Ⅲの直販モデルと同じ。
環境に配慮してビニールを使わないようになっています。
すでに国内でも先行レビューが多数公開されておりより詳細を知りたい人はそちらをご確認下さい。デザインとか確認しても今更感が半端ないので。
片手操作が快適にできるのか?
発表直後のイベントで実機に触れる機会がありましたが今回は手元に届いたら試したかったことを中心に確認したいと思います。まず一つ目としては本体の重さです。カタログスペックだとXperia PRO-Iの重さは211gです。
とはいえフィルムなし/ケースなしで使うことは考えにくくアクセサリーをつけた場合の重さがどうなるのかがすごく気になっていました。早く病院にいけって話ですが自分はずっと手首の調子が悪く200gオーバーの機種は長時間使うとおかしくなる。
どんなにいいスマホでも手首が痛くて使えないと意味がないので実機が届いたら確認したいことの一つでした。
ガラスフィルムを購入。
まずフィルムに関してはAmazonでラスタバナナのガラスフィルムを購入。調べている感じだとXperia 1ⅢとXperia PRO-Iはベゼル部分含めて全く同じでXperia 1Ⅲ用を購入しておけば問題なかったと思います。
ただ一応不安だったのでXperia PRO-I兼用と記載があるものから今回は購入しました。SpigenのXperia 1Ⅲ用のガラスフィルムでも良かったですがガイドは使えないので今回は選択肢から除外。
また純正ケースとセットで使うこと前提でケースの干渉を受けないと思いフィルムは全画面保護用を購入。
純正ケース「Stlye Cover」を購入。
そして合わせてケースを確認したいと思います。今回購入したのは純正ケースとAmazonで販売されていたクリアケース。まず純正ケースから確認したいと思います。抗菌仕様の採用。さらにカメラの世界では親しまれたレザーを採用。
Xperia PRO-I自体のデザインはフロストブラックでスマホとして見ればかなり洗練されている印象。
ただカメラっぽさという面ではシボ加工が採用されているXperia PROの方が上という印象でしたがXperia PRO-Iは純正ケースとセットで使うことでよりカメラっぽさを楽しめるのかもしれません。
Xperia 1ⅢのStyle Coverのようにスタンドはついていません。ちなみに本体価格は8800円とお高め。Xperia PROの時はサードパーティ製含めケースの選択肢がほぼなかったのでPRO-Iは選択肢があるだけまし。
ちなみに純正ケースをつけた上でVlog Monitorを装着もできるみたいです。実機のイベントで見た時はそこまでに感じなかったのですが改めて確認するとめちゃくちゃ質感がいいです。
自分はレザーの価値などを把握していませんが少なくともデザインと質感だけみるとめちゃくちゃかっこいいです。
そしてガラスフィルムに純正ケースの組み合わせでの重さを計測すると254g。
レザーケースにガラスフィルム。そして元々重い機種なので全部セットにした時にこの程度の重さになるのは覚悟していましたがやはりケース込みだとかなりの重さなので常にケースをつけっぱなしの人は厳しいかも。
正直日常的にこの重さで使うには自分の手首の状態では無理です。とはいえ室内ではケースをつけないので外出時に長時間使うということがなければ問題ないように感じます。
クリアケースを購入。
そしてもう一つ購入したのがクリアケース。あくまでも予備用として購入しており娘と公園にいくなど汚れる可能性がある場合に純正ケースをつけたくない。
また娘に渡さなきゃいけない時に純正ケースだと横が大きく空いているので落とされた時に傷がつく可能性。クリアケースは横もしっかりと保護してくれるものを選択。また純正ケースと本体はスペック上では合計243g。
ガラスフィルム込みでも250g前後になるかと予測できましたが実際に持った時にスペック以上に重く感じるか感じないかは試すまで分からないので重さの面でも予備として購入した感じです。
ガラスフィルム+クリアケースの組み合わせで合計245g。
決して軽いわけではありませんがまだ純正ケースよりはまだ軽いです。利用シーンに合わせて使い分けをしますが大して重さに差がなく純正ケースの質感はかっこいいので純正ケースとセットで使いたくなります。
スピーカーの音質。
次に2つ目としてスピーカーです。Xperia PRO-Iはプロユースを想定したカメラ特化型の機種です。とはいえ自分のようにプロじゃない人間だって使いたい。そうなると普通のスマホとしてどの程度使えるのか。
まず音量を50%にした上でXperia 1Ⅲと比較テストをしてみました。
SonyStoreの製品ページばかり確認してSonyモバイルの製品ページを確認していなかったので見落としいましたがXperia 1Ⅲと採用されているスピーカーが異なり音質に音量とXperia PRO-Iの方が劣ります。
Xperia PRO-Iの方が少し音が篭っている印象。また僅かにXperia 1Ⅲの方が音量が大きい感じ。スピーカーの構造が違うため結構違うのかなと思っていましたが、聞き比べるとそこまで差がある感じではありません。
そして合わせてXperia 5Ⅲとも比較してみました。ここの比較だと明らかにXperia PRO-Iの方が音質も音量も優れている印象。
360 Reality Audioが本体のスピーカーで再生できるようになっているため2020年モデルのスピーカーよりは進化していますがXperia 1Ⅲには及ばず。
とはいってもカメラ特化型の機種でこれだけのスピーカーを搭載していれば十分に感じます。ちなみに話題となっている共振ですがXperia 1Ⅲに近い感じで共振が全くないわけじゃないですがほぼ感じないという感じで好印象。
欲を言えばXperia 1Ⅲがおそらくベースになっているのでスピーカーも共通化して欲しかったところです。とはいえそこまで差がなくてびっくりしたという印象です。
電池持ちがちょっと厳しいかも。
そして3つ目は発熱と電池持ちです。とはいっても電池持ちに関しては開封したばかりなので判断できません。一応海外サイトのバッテリーテストの結果を参考にすると以下のようになります。
スコア | |
Xperia 5Ⅲ | 100 |
Xperia PRO-I | 87 |
Xperia 1Ⅲ | 82 |
SoCにOS そしてRAMやバッテリー容量も共通ですが電池持ちに違いが出た理由としては最適化の差。海外サイトはXperia PRO-Iの方がより最適化されているといます。
ちなみにこのバッテリーテストにはカメラの項目がありません。良くも悪くもカメラ以外の部分ではXperia 1Ⅲより優秀ということになります。一方で初期設定したばかりで最適化もされていないので今後の様子を見る必要性がありますがちょっと気になったことも。
開封時点での電池残量は54%。初期設定にスピーカーテストにカメラサンプルにベンチマークを回した後の電池残量は6%で他のXperia 1ⅢやXperia 5Ⅲの開封初日と比較する電池の減り方が尋常じゃない印象です。
Xperia 1Ⅲですらひどいと思っても30%くらいしか減らなかったのに対してXperia PRO-Iは50%近く減っています。結構気になります。
発熱も結構ひどいかも。
そして発熱に関してはとりあえずお決まりですがベンチマークを3回連続回してみました。
初期設定もままならい状態での計測なのでスコアは参考程度に。とりあえず75万点前後がMAX値の目安になりそうです。
Xperia 1Ⅲは80万点を超えるのでトップスコアは抑えめでその分熱制御の方に力を入れているのかもと思いきやそんなことありません。Xperia 1Ⅲは温度が高くても43度くらいですが、Xperia PRO-Iは普通に50度を超えます。
これはちょっと想定外でした。流石に内部温度があがりすぎ。カメラに関しては発熱対策としてエンデュランスモードを搭載。簡単に言えば発熱してもカメラアプリが強制終了しない。
ただこのモードはカメラアプリ以外では使えないためゲームなど他の動作で発熱する場合は注意が必要です。ちなみにゲームエンハンサーも対応。
ただHSパワーコントロールに関して勘違いしている人もまだ一定数いてこの機能は発熱を抑えることがメインではありません。ゲームを充電しながらプレイする場合。
充電+ゲームによる高負荷で発熱しやすくなりますがこれはを充電ではなく給電することによって充電することによって発生していた発熱を抑えることができる。
なのでゲームをプレイすることによって発熱自体を抑える機能ではなく給電にしても発熱することに違いはありません。
少なくともゲームをがっつりするためにXperia PRO-Iを購入する人はなかなかいないと思いますがゲームエンハンサー機能はXperia 1Ⅲと共通化されているのでゲームもしっかり楽しめます。とはいえ発熱しやすいのはかなりのネックです。
現時点で評価すれば電池持ちも悪く長時間撮影する場合充電しながらになる可能性。そうなった時にエンデュランスモードでカメラアプリが落ちないとしても本体温度はかなり上昇する可能性もあります。
せめてカメラアプリをHSパワーコントロールに追加して給電しながら撮影できれば印象が変わったのかもしれませんが、電源周りと発熱はちょっと対策が必要に感じます。
カメラの確認。
そして4つ目としてカメラです。SonyとしてはVlogのニーズが高まっていること。さらにVLOGCAMであるZV-1がかなりの人気でさらにレンズ交換式であるZV-E10も好調。
そのニーズに応えるためにXperia PRO-Iは簡単に言えばVLOGCAMにスマホ機能をつけたような仕様。Xperiaとしては初となるRX100 VIIと同等の1インチセンサーをスマホ用に最適化させて搭載しています。
ただ自分はビデオ撮影はしても自撮りなどはしない。また動画より写真を撮影することが多いので今回Vlog Monitorなど周辺アクセサリーは購入していません。
何より周辺アクセサリー含めてVLOGに興味がない人は買っちゃいけないみたいな流れになるのが嫌だ。Sonyのターゲット層からずれているとは思いますが自分がXperia PRO-Iに求めるのは写真と動画のボケ感。
16mmで撮影。
イベントでデモ機を試した時は照明下の会場 そして主な被写体が造花のみだったのでピンときませんでした。ただ改めて自分が普段撮影する環境で使ってみると1インチセンサーを搭載したことによる感光性の改善。
センサーサイズが大きくなったのでより明るく撮影が可能に。
BASICモードでも照度とホワイトバランスをちょっといじってあげるだけでも写真の完成度がかなり高くなります。あまり補正をかけないXperiaだからこそ大型センサーと組み合わせことでこの表現力。
24mm(F4.0)で撮影。
次にF4.0で撮影。ちょっと明るめで撮影できます。
50mmで撮影。
思っていたよりいい感じのボケ感で撮影できます。
簡単に言えば光学式2.1倍なので画質はそこそこという感じです。やはり24mmがメインであり16mmと50mmに関しては特段悪くもないけど何か飛び抜けているものがないという感じでちょっと普通に感じてしまいます。
24mm(F2.0)で撮影。
風景を撮るならF4.0の方がいいと思いますがあえてF2.0で撮影。全体的に暗めですが逆に暗くなっていることで雰囲気が出ているように感じます。
ただセンサーサイズが大型化したことで最短撮影距離は長め。特に植物をある程度接写して撮影したいかつボケ感も欲しい場合はXperia 1Ⅲの方が向いている印象。
一方で接写以外においてXperia 1Ⅲでボケ感が欲しかった時には105mmで撮影していましたがXperia PRO-Iでは24mmのF2.0で撮影可能に。自然な感じでボケており何よりこのボケ感を活かしたまま秒20コマの高速撮影ができるのは魅力。
1インチの60%に制限することでXperia 1Ⅲなどと同じく高速オートフォーカスや高速撮影に対応。今回はまだ高速撮影やリアルタイムトラッキング機能を試せていないので週末に子供を撮影して確かめたいです。
ちなみに50mmでも撮影してみましたがやはりいい感じにボケてくれます。ただ手ブレは思っていたよりしやすい印象です。
新しいビデオ機能。
また新機能であるVideogaraphy Proを搭載。Cinema Proより簡単にマニュアルでビデオ撮影が可能に。素人の自分からすればマニュアルで撮影する前にCinema Proではなかったオート撮影があるのが大きい。
そして4K/60fps撮影や4K/120fps撮影もオート撮影が可能に。また嬉しいのが瞳オートフォーカスやオブジェクトトラッキング機能にも対応+F2.0で撮影できるので実質ポートレート動画に対応。
iPhone 13 Proのシネマティックモードほどしっかりとボケ感が出る感じではありません。ただ思っていたよりしっかりボケてくれること。さらにフォーカスが早く被写体の切り替えが早い。
開封したタイミングでアップデートがすでにきており内容を確認していませんが今回のサンプルはアップデート前に撮影。なのでこのアップデートで改善されるのかもしれませんが、手ぶれ補正はちょっと気になりました。
変に手振れ補正をかけようとして結果絵が伸びる感じです。アップデート後にしっかりと試したいと思います。
何より他の機種にようにAIでがっつり補正してくれる訳ではありませんが1インチセンサーのお陰で表現力が向上。オート撮影でも既存のXperia 1Ⅲと雰囲気が異なる写真や動画を撮影できるだけも買って良かった印象です。
まとめ。
普段デジカメが好きな人にとってはセカンドカメラの立ち位置。またVLGOをやりたい人におすすめ。ただ自分はデジカメを普段から持ち運ぶような人間でもないしVLOGをYouTubeで公開するような人間じゃない。
ましてカメラに関する知識なんて素人レベルですがそれでも楽しめるようになっているのは嬉しい。スマホとして見ればハイエンドスマホ。カメラとして見ればデジカメのエントリーモデルという印象。
使いこなすには知識が必要でまた購入するにあたっても最低限の知識が必要であることに違いはありません。ただ素人にとって全く使えないカメラではなく必ずしもVLOGを撮影する必要性がありません。
自分にとっては今までのXperiaに足りなかったボケ感が写真でも動画でも楽しめるXperiaという印象で今週末出かける予定なので天候次第ですがいろいろ撮影して後日低照度含めてまとめたいと思います。