XperiaのCompactモデルの復活に期待できない3つの理由

2021年はXperia PROから始まりAce IIに10Ⅲ。そして1Ⅲに5Ⅲ。最後にXperia PRO-Iと合計6機種が登場。以前のXperiaのラインナップにはCompactモデルが存在しましたが今年で見れば一番小型なのがAceII。

今回は今後XperiaにCompactモデルが復活することを期待できない理由についてまとめたいと思います。

コスパがいいハイエンドコンパクト。

そもそもCompactモデルを何を持ってCompactと定義するべきなのか難しいところでもあります。たまにXperia 5Ⅲの縦幅がもっとコンパクトなら良かったのにと言っているユーザーを見かけますが逆に縦幅はどの程度なら文句がないの?と疑問が生じます。

横幅が65mmなら以下なら問題ないのか。それとも縦幅が140mm以下ならいいのかなどなど。少なくともSonyはXperia XZ2 Compactで小型モデルを終了。その理由も明らかにしており単純に売れないから。

日本では小型モデルの方がニーズが高いのでそんな印象はないですがグローバル市場でCompactモデルのニーズはかなり限定され正直人気がない。少なくとも従来のCompactを採用した機種が今後登場することに期待することはできないと思います。

まずコンパクトモデルが欲しいというユーザーのニーズのハードルが高く理想通りの機種が登場しにくい。小型モデルを求めるユーザーを見ているとハイエンドかつコンパクト。そして価格が安いモデルが欲しい印象。

メーカーとして見ればコンパクトモデルは筐体に制限があるためハイスペックにしようとすればその分技術が必要。既存の部品の小型化などコストをかけて小さな筐体に収めようとなるとどうしても本体価格が高くなる。

ただユーザーのイメージとしては小型モデルの方が標準モデルより安くて当たり前。そうなると価格設定が難しい。iPhone 12 miniが大失敗に終わっていますが一部アナリストはその価格設定が原因だと指摘しています。

つまりユーザーのニーズに対して価格が高いということです。ただハイエンドモデルで8万円台は安いと思う。でも現状で直販モデルは6万9800円ですが売れている印象はない。一方でキャリアは100円以下でばらまき。

金額が金額なので売れている印象もありますがここまでしないと売れないとなると12 miniの発売当初の価格が7万円以下でも売れなかった可能性。そこまで価格を安くするとなるとミドルレンジにした方がメーカーも楽。

またコンパクトモデルのよくあるデメリットである発熱のしやすさや電池持ちの悪さ。少なくとも搭載できるバッテリー容量に限度があり筐体サイズが小さいため排熱処理にも限界がある。

となれば発熱もしにくく消費電力効率が優れたミドルレンジ向けのSoCを搭載した方が効率がいい。ただユーザーはミドルレンジのコンパクトモデルを求めておらず本体価格が安くてもそこまで売れない。

ただのハイエンドコンパクトモデルが欲しいというわけではなくコスパの優れたハイエンドコンパクトが欲しいと考えているユーザーが多い。なのでメーカーにとっては非常にハードルが高くニーズを満たした製品が登場しにくい可能性。

市場のニーズは大画面。

Pixelで見ればPixel 4aのサイズ感が好きなユーザーが多い印象。ただ正直廉価モデルだからできるサイズ感。逆に見ればサイズ感が近いPixel 5が5Gに対応しながら電池持ちを大幅に改善させたのは単純にすごい。

Pixel 5が採用しているカメラセンサー自体も小型でありデュアルレンズなのでセンサー数も少ない。

Pixelがハードに依存せずカメラソフトに力を入れている機種だからこそカメラの品質を担保しつつも本体サイズはそこまで大型化せずに済んだのかもしれません。ただPixel 6シリーズやPixel 5aで大型化。

コンパクトモデルが好きなユーザーにとって残念だと思いますがGoogleはおそらく市場のニーズに応えた可能性。

多くのメーカーが持ちやすさとディスプレイサイズの大型化という2つのニーズのバランスをとるために選択したのがディスプレイのアスペクト比の変更。Galaxy S8シリーズ以降18:9を採用した機種が増えました。

その中でSonyは21:9をいち早く採用したため縦長とよく批判されました。ただPixelで見ればPixel 5aやPixel 6は20:9を採用。Galaxyで見ればS21 Ultraが20:9を採用。

Z Flip 3に関しては22:9を採用しておりXperiaに近いアスペクト比を採用している機種が増えています。結局横幅をある程度抑えつつディスプレイサイズを大型化させようとしたら縦に伸ばすしかありません。

またEdgeスタイルやべセルレスデザインも本体サイズをできるだけ変えずディスプレイサイズを大型化する手段。

ただそれでも限界があるためSamsungはより大型ディスプレイを持ち運べるように折りたたみ式機種の開発。アスペクト比にもよりますが7.6インチのディスプレイを搭載した機種なんてポケットに入らないです。

ただ折り畳めるようにすることでより大型ディスプレイを搭載した機種でも持ち運びがしやすくなる。

Z Fold 3で見た場合閉じていると横幅が67mm 横幅が67mmだと片手操作がしやすい横幅ですが個人的には折りたたみ式機種に片手操作のしやすさなどを求めていないので横幅を75mm程度まで大きくしてその分サブディスプレイのアスペクト比25:9の改善。

またアスペクト比を調節しつつメインディスプレイの大型化。その方がよりタブレットに近いサイズ感になり折りたたみ式機種のメリットが強くなるように感じます。

少なくともGoogleはタブレットや折りたたみ式機種により最適化させるためAndroid12Lを正式発表。大型ディスプレイを搭載した機種のニーズが高まることを見越しての判断だと思います。

Z Fold 3のように一枚のディスプレイを折り畳めるようにすることには個人的にそこまでメリットに感じず。Surface Duo 2のように2画面構造で本体価格が安い方がユーザーに届きやすい印象も受けます。

少なくとも市場のニーズは大型ディスプレイが今後より一層ますと思うのでコンパクトモデルに期待できない。

ニーズ=売れるではない。

そして3つ目としてはユーザーの声を聞きすぎるのはよくないこと。つまりコンパクトモデルの復活という声を聞きすぎて復活させるとおそらく失敗する可能性が高い。

あのAppleですら失敗したことを考えるとXiaomiが小型モデルを発表することは勇気があると思います。自分はバブル崩壊後に生まれた人間なので高度成長期など物を売れば売れる時代を知りません。

ただ直近で見れば何か発売されれば売れる訳じゃない。また以前は消費者がメーカーの製品を選ぶ。消費者の方が強いという感じでしたが今はちょっと違う。

マーケティングがより濃くなってきておりメーカーもユーザーを選ぶような戦略がより強く出ています。

近年のXperiaで見ても好きな人に好きになってもらえるようにとコンセプトが明確になっています。またSonyの拘りの部分を製品開発する際に一般ユーザーからのフィードバックを中心にするわけじゃない。

例えばカメラの開発をする際は一眼などデジカメを購入する人が何を重要視して商品を選択するのか。

Xperia 1Ⅲではリアルタイム追跡機能などとにかくフォーカス機能が強化されていますがこれもカメラ好きのユーザーのフィードバックを元に製品開発した結果。また他の機種との差別化にも繋がる。

ユーザーからのフィードバックはもちろん重要だと思います。ただ何か他社製品と差別化しようとした時に一般ユーザーからのフィードバックでは難しい。

特にSonyは自社の強みを活かしたいからこそその道のプロなどとことん好きな人の声を集めて開発する上で取捨選択をしています。最近のXperiaはユーザーの声を聞かないとかユーザーの意見を尊重しないから売れないと批判されています。

ただこう思っている人はメーカーにとってターゲット層に全く入っていないことの裏返しです。

またメディアを運営している人ならきっと共感してもらえることだと思いますがユーザーからこんな動画を見たいというコメントを頂いていいかもと思って動画を作っても全く再生されない。

ユーザーのニーズを自分で考えて動画作るのとユーザーからのニーズに答えて動画を作るのは全く違います。少なくとも自分の場合後者は成功したことがほぼないです。

少なくともユーザーがコンパクトモデルが欲しいとニーズがあってもそのニーズだけに応えるためにコンパクトモデルを開発すると失敗する可能性が高い。

Sonyのやりたいこととニーズが一致しない限りコンパクトモデルの復活に期待はできないと思います。

まとめ。

自分はXperia 5Ⅲのサイズ感でも十分に片手操作がしやすくスペックとのバランスもとれているように感じます。ただXperia 5Ⅲは歴代のCompactモデルのようなサイズ感ではなく違うと思う人が多いのも事実。

一方で本体サイズが小さい方がいいというニーズが高いならもっとiPhone 12 miniが売れて良かったしAndroidで見れば Zenfone 8やRakuten Miniが売れても良かったように感じます。

結局小さいだけじゃ売れない。コンパクトモデルは一番メーカー泣かせの機種のように感じてしまいます。

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