コロナ以降人々のライフスタイルやワークスタイルに大きな変化が訪れたことからも今まで以上に半導体のニーズが高まりサプライヤーも莫大な需要に対応しきれない状況に。
最大手であるTSMCもここ2年くらいで半導体の価格を30%近く値上げをしています。また先日より始まったロシアのウクライナ侵攻で原材料の供給に大きな支障が発生。
今回は半導体不足が今後悪化する可能性が高い中スマホの買い時についてまとめたいと思います。
製品サイクルが変更される可能性も。
今回は現状を踏まえてまとめた主観の記事になります。今後の戦況次第では状況が変化する可能性があり最終的には自己判断であくまでも考え方の一つとして参考になれば幸いです。
半導体不足が今後より深刻化するとして半導体の消費がもっとも多いスマホ市場が一番の影響を受ける可能性が高い。その中で半導体不足が深刻化して考えられるのは大きく2つです。
半導体の値上げ。
まず一つ目としては供給が追いつかなくなるため半導体の価値が高まり価格が値上がりする可能性。
今までの半導体不足は莫大なニーズに対して生産が追いつかないという状況でしたが今後深刻化する要因は原材料の不足でいくら施設を増強しようとそもそも原材料が足らず作れない。
生産が停止したウクライナにある2つのサプライヤーのシェアがグローバル市場で約50%とかなり深刻です。TSMCなどは作れなきゃ話にならないので残りの50%の企業と契約してネオンガスの確保を優先。
契約の条件が悪くても確保が優先になると思うので今まで以上に仕入れ値が高くなる可能性も。原材料が高くなれば原価コストが高くなるので結局半導体自体の価格の値上がりにつながります。
各メーカーともこれ以上価格が高くならないようにコストカットに尽力していますが限界がある。特にハイエンド向けのSoCは原価コストが高いのでコストカットするのも難しい。
となれば単純に本体価格が高くなる可能性。ただ半導体に限らず人件費や輸送費なども高くなっているので今後値上がりする可能性も高いです。
製品のアップデートサイクルに影響。
そもそもネオンガスのサプライヤーが常にフル稼働していたかにもよりますが結局ネオンガスが足りない状況に変わりがないのであれば半導体の生産数はさらに限定されます。
なので半導体の値上がりはもちろん2つ目として半導体不足からラインナップの変更。中華スマホなどを特にそうですが薄利多売方式なので逆に販売台数を稼げないとかなり厳しい。
そのため落ち着くまではラインナップを縮小しつつ毎年アップデートをする可能性があります。また今のラインナップのままだとしても2年連続同じSoCを搭載する可能性も考えられます。
XiaomiはSnapdragon870を相当溜め込んでいるとされており廉価モデルを中心に今後数年搭載かもしれません。また単純に売れ筋以外の機種に関しては毎年アップデートされなくなる可能性があります。
これはシェアが大きく販売台数が多いメーカーほど影響を受けやすいと思うのでSamsungやApple。そしてXiaomiなどを中心に今後の動向を要チェックするべきだと思います。
下半期に登場する機種。
あくまでも半導体を中心に考えた場合今後登場する新しいSoCから値上げされている可能性。逆に言えば今出ているSoCに関してはすぐに価格に反映されるのは考えにくいように感じます。
例えばSnapdragon 8 Gen 1は価格が上がりにくい状況ですがSnapdragon 8 Gen 1+に関しては半導体不足の影響がより反映された価格設定になるかもしれません。
Android全体で見れば上半期に登場する機種は大丈夫かもしれませんが今年の後半に登場する機種はちょっと危険という感じ。Appleで見ればおそらくまだ大量生産が開始されていないA16 Bionicは危険でもA15は大丈夫かも。
そのためA15 Bionicを搭載するiPhone 14とiPhone 14 Maxに関してはちょっと安心でもA16 Bionicを搭載するiPhone 14 Proシリーズは微妙。そしてGoogleはGoogle Tensorを搭載すると予測されているPixel 6aは大丈夫でも2世代目を採用するPixel 7シリーズは危険。
あくまでも半導体を中心の考え方であり他の要因で結果的に値上げになる可能性もあります。全体的に見れば今年の後半に登場する機種の中で新しいSoCを搭載している機種は危険。
ただ下半期に登場する機種でも従来のSoCを搭載している機種は影響を受けにくいかもという感じです。もちろんメーカーがどの程度の在庫を抱えているかにもよりますが半導体不足であることに違いはなく製品自体の供給量は今まで以上に限定される可能性。
そうなればメーカーも販売台数現象を補うためにも本体価格を値上げする可能性はあります。また半導体不足の他に生産上の問題も影響してくる可能性があります。
例えば中国では再びコロナの感染が急拡大しているとされておりその影響で工場の閉鎖。さらに輸送にも影響が発生。そのため中国での生産比重が高いメーカーの機種は供給不足に。
AppleのFoxconnも有名ですがGoogleにおいてもベトナムへの工場移転が上手く進んでおらず結果Pixel 6シリーズは中国で生産。Pixel 6aに関してはどこで生産されるか不明ですがPixel 7シリーズが中国で生産となり、その時にコロナの影響がでるなら生産が不安定になるかもしれません。
半導体不足と合わせてコロナによるサプライチェーンの生産も合わせて考える必要があり面倒。
また自分は知識がないため詳細は把握していませんが例えば日本からヨーロッパへ向かう場合ロシア上空を通過していましたが国交の悪化からもロシア上空を通過することができずヨーロッパへいく場合は迂回しなければいけないとの話を聞いたことがあります。
そのため空輸で運ぶ製品に関しては運送経路の変更でよりコストがます可能性もあります。メーカーがどれだけ頑張れるかですが単純に考えれば下半期の製品は高くなる可能性が高い。
焦る必要はない。
そして難しいところですが買い時のタイミング。価格関係なく欲しい機種が欲しい人は特段考える必要はなく価格を少しでも抑えて購入したい人にとってはかなり難しい。
少なくとも今年が買い替えの時期ではない人は無理に買い替える必要はないと思います。状況を鑑みれば値上げされる可能性が高いですが実際に値上げされるかどうかは下半期の機種が登場すれば分かる。
値上げの傾向にあるなら今後数年は値上げが続く可能性が高い。一方でそこまで値上げがほとんどされていないならメーカーがかなり頑張っている感じです。
何より急いでいない人からすれば今後数年この状況が改善されるまで今の機種で様子見すればいい。なので買い替えのタイミングではない人は手持ちの機種のアップデートサポート期間があとどれくらい残っているかで判断するのが分かりやすい。
ただ買い替えのタイミングの人は上半期に登場する機種が欲しい人は待つのはあり。ただ下半期に登場する機種なら正直微妙。
例えば自分のチャンネルでよく扱う機種で見れば上半期に登場する可能性が高いPixel 6aやXperia 1ⅣにXperia 10Ⅳは半導体不足の影響だけでめちゃくちゃ値上がりすることは考えにくい。
そのため主観ですが自分だったら待ちます。ただPixel 7シリーズなど下半期に登場する機種はもうある程度覚悟しておくという感じです。
少なくとも欲しい機種であるなら別ですが今後値上がりを懸念して叩き売りになっている製品を無理に購入する必要はないと思います。安いからという理由で購入すると不満が生じた場合安かったからと諦めがつきますがその分愛着が湧かない。
また2年後に返却することが前提のものであれば2年は使う必要がある。そのためユーザーにとって不幸になる可能性も。またどこで購入するかによっても違う。
例えば値上げされる可能性があるPixel 7シリーズで見ればGoogle Storeの直販モデルは価格の値上がり=ユーザーの負担ですがSoftBankやauなどキャリアモデルはユーザーの負担をがそこまで大きくならないようにレンタル前提で上手く調節する可能性もあります。
なので最新機種が欲しい人でもキャリアモデルをレンタルする人はそこまで神経質にならなくても大丈夫な感じはします。何より直販モデルを購入するよりは影響を受けにくい感じがします。
まとめ。
今回は質問が地味にあったので半導体不足と買い時について主観ですがまとめてみました。半導体不足が落ち着くまでは冬の時代になるかもしれません。
また新製品をまともに供給できないなら今後メーカーは同じ端末を少しでも長く使えることにフォーカスして開発するかもしれません。となればユーザーにとってもメーカーにとってもwin-winな感じもします。