Sonyが現行シリーズに移行してから好きな人にとことん好きになってもらえるようにとコンセプトを明確化したことで以前のように販売台数を追わずとも結果販売台数は上昇の流れ。
ただXperiaに限った話ではありませんが少ない販売台数でしっかり利益を確保する戦略を採用しているため世代を重ねるごとに本体価格は上昇しておりXperia 1Ⅳでは19万円に。
今回は今年の夏モデルの価格が揃ったのでハイエンドモデルについてまとめたいと思います。
ハイエンドの高価格化。
今回の記事は主観に基づいてまとめているのでご了承下さい。約5年前にiPhone Xで10万円オーバーになった時はその金額の高さで話題になりましたが今やはその2倍まできています。
5年前は10万円以下が当たり前であることに加えキャリアが強烈な割引を行っていたことからも本体一括価格を意識する人は少なく月額の負担金のみフォーカスされていた印象でやはり分離プラスが導入されてから一括価格が意識されるようになったため余計に高く感じる。
ちなみにガラケーの時と金額を比較する人がいますがガラケーは電話としてのツール以外の付加価値がほぼありませんでしたが今のスマホは簡単に言ってしまえば小型のパソコンです。
またキャリアの料金プランをみる限り音声通話機能自体が今やメインではなくなってきておりむしろ電話が主軸でなくなっている。なので電話しか出来なかったものと小型のパソコンと価格を比較すること自体が違うように思います。
とはいえ今夏のAndroidハイエンドの価格を確認するとGalaxy S22 Ultraが約18万円。この時点で高くて話題になりましたがXperia 1Ⅳは約19万円とより高価で散々批判。
そして先日にAQUOS R7の価格が約20万円であることが発表されGalaxy S22 Ultraが一番安い。
今後半導体不足が改善すれば半導体のコストを下がるかもしれませんがどの程度本体価格に影響があるのか不明で何より原材料の高騰に加えインフレが加速すれば今後も値上げ傾向に。
来年あたりは各メーカーの最上位モデルは最低で20万円からという価格設定になるかもしれない。そしてこの値上げ傾向はAndroidだけと捉えられていますがiPhoneも同じ流れだと思います。
Appleが新世代のタイミングではなく価格改定を6月に行なったことを考えると円安は深刻。今年の9月に正式発表される可能性が高いiPhone 14シリーズも同様に高くなると思います。
先日には現時点での為替を元にiPhone 14の価格を推測した記事を公開しましたが直近の情報で見ると状況はさらに悪化 唯一価格が据え置きになると予測されていたiPhone 14も中国での価格が日本円で約4000円程度の値上げ。
iPhone 14 Proシリーズに関しては$150以上の値上げになると予測されており記事執筆時点での為替だと約2万円の値上げかも。
また今後円安がさらに進むと予測されていることから直販モデルでも2万円以上の値上げは避けらない可能性が高くiPhone 14 Proシリーズの256GBのキャリアモデルは20万円オーバーが当たり前で1TBモデルなど最上位モデルは30万円近くの価格設定も十分に考えられます。
自分は過去記事でAQUOS R7を購入したいと言っていますが価格を見ると躊躇します。
ハイエンドモデルが好きなので今後もハイエンドモデルを中心に購入していきたいと思いますがこの価格になって改めて思うのはハイエンドモデルに何を求めるか考え直すことだと思います。
単純に一番いいものが欲しいからという理由をで購入するような値段ではないです。
良いものだから買うは違う。
自分にとってもそうですがほとんどのユーザーにとって快適に使えることを主軸にするならミドルレンジで十分だと思います。価格帯で見れば7万円から10万円程度の機種で十分。
逆に言えばよく言われるコスパという言葉で言えば10万円以上になればどんどん悪くなっていきます。なので10万円以上の機種はそもそもコスパを求める機種ではなく付加価値を求める価格帯です。
例えば今夏のフラッグシップモデルで見ればGalaxy S22 Ultraの圧倒的な特徴はズーム機能。他の2機種と比較してもズーム機能に優れており光学式10倍にデジタル100倍ズームに対応。
またSamsungはユーザビリティを改善するために手ぶれ補正も大幅に強化しており最大100倍ズームで撮影出来るだけではなくある程度の画質かつ撮りやすくなっています。
そしてXperia 1Ⅳで見るとαシリーズ譲りの高速オートフォーカス撮影とバースト撮影です。
今のフラッグシップモデルはセンサーの大型化に高画素化に強力なAI補正とスマホで撮影したとは思えない写真や動画を撮れるのが魅力ですが画像処理に時間がかかることが多くシャッターボタンを押してから保存されるまでにタイムラグが発生して手ぶれが発生しやすい。
その結果被写体が動体の撮影にあまり向かない機種が多いですがXperia 1Ⅳは何より書き出し速度を優先しておりシャッターボタンを押してからのタイムラグがほとんどありません。
普段風景より動体を撮影することが多い人にとってはかなり重宝する機能だと思います。また高速撮影以外で付加価値が非常に高いと思うのはオーディオ関連でハイエンドモデルでは珍しくイヤホンジャックを搭載していること。
さらにスペックだと分かりにくいですがイヤホン接続時における音圧の改善などで明らかに他の機種よりも音質が優れています。
Xperia 1Ⅲの時はSpatial Audioとして Xperia 1Ⅳは360 Upmixと名称が変更された非対応曲を360 Reality Audio相当にアップコンバードしてくれる機能も面白い。
オーディオ関連の魅力を最大限発揮するには別途WF-1000XM4などアクセサリーが必要です。ただ他の機種にはない魅力でありフラッグシップモデルとしても魅力的な付加価値です。
そしてAQUOS R7に関してはやはり1.0型センサーとスマホでは最大クラスのセンサーが魅力。
記事執筆時点では発売されていないためその実力は不明ですがポートレートモードを使わなくても大型センサーのメリットとして光学式のボケ感がある撮影が可能であること。
やはりカメラソフトで加工されるポートレートモードは撮影シーンや被写体によっては雑に処理がされますが光学式のボケ感であればより自然な加工になると期待することができます。
ただ本体価格が20万円と非常に高価になったことでこの付加価値はちょっと弱めな印象。センサーサイズはデジカメと同等でもそもそも搭載しているレンズのサイズは全く違う。
SonyはXperiaをαシリーズの位置付けにしていますがデジカメの代わりになると思っていない。
SHARPがAQUOS R7をどのようなスタンスで開発しているのか把握していませんがどんなに大きなセンサーを搭載したとしてもデジカメの代わりになるには厳しいと思います。
だからこそライカ監修のカメラソフトでスマホカメラとしてどれだけ完成度が高いか重要。これで前モデルのように中途半端になるとなかなか難しい存在になった印象です。
キャリア主導の弊害。
この価格帯までくるとハイエンドモデルの販売台数はかなり限定されると思います。
特に日本市場では円安やGalaxyがそもそもグローバルモデルより高めということもありますがグローバルではGalaxy S22シリーズでみた場合にGalaxy S22 Ultraのシェアが半数以上。
一方で日本では金額的にもGalaxy S22の方が販売台数が多いのではないかと思います。ハイエンドモデルは先進国と言えるのかも定かではありませんがその中で日本は売れにくい環境。
そしてハイエンドの販売台数がどんどん減少していけばキャリアの仕入れ数も限定され結果仕入れ値は高くなり本体価格が高くなりさらに売れなくなるという負のスパイラルに。
一つの要因としては分離プランが導入されたとはいえキャリア主導で端末が販売されているため。
一部メーカーは別ですが結局キャリアに扱ってもらえるかもらえないかで販売台数が違う。
そのため分離プランからキャリアと深い繋がりがあったSonyやSamsungはキャリアメインになりSonyこそ直販モデルの販売もしていますが発売時期を見ればキャリアに配慮しておりSamsungに関してはハイエンドは市場に導入していない。
逆にキャリアと深いつながりがないGoogleやAppleはキャリアモデルと直販モデルを同日に発売しており配慮はしていないです。少し前のデータだとスマホを購入する人は全体の9割がキャリアで購入しており結局キャリアモデルは価格競争も起きにくく。
さらに全体の9割の分割払いで購入する流れから分割購入前提のプランで割高な設定も。料金こそ総務省の指導で安いプランも登場して価格競争が起きているか別の話として安くはなりましたが端末には価格競争が発生していない。
さらに直販モデルが付け入る隙もあまりないのでより価格競争が発生しにくく高止まりに。
今後この状況がさらに継続すればよりメーカーから見ても厳しい状況となると思いますがSonyやSamsungが大きく動かない限り流れは変わりません。あとは主観ですが国内カスタマイズ。
フラッグシップモデルになると幅広いバンドに対応していることから日本のキャリアのバンドにもある程度対応しており世界的にも珍しいB21やn79に個別で対応すれば解決できる。
ただFelicaチップの搭載や絵文字にキャリアロゴにキャリアアプリなどカスタマイズが原因でコストが高くなっている可能性があり本体価格の上昇はもちろんグローバルモデルとの発売時期のタイムラグやアップデートの配信時期のタイムラグにつながっている可能性。
グローバルモデルとあるほぼ共通化することでコストカットできる可能性はありえます。
正直おサイフケータイは本体で必ずしも対応している必要がないと思っておりスマートウォッチが代用になるならそれで十分でだからこそ個人的にはPixel Watchの登場が非常に楽しみ。
まとめ。
少なくともフラッグシップモデルは変にコストカットせず今の路線を突き通して欲しいと思います。
ただ価格的には現時点では限界に近く値下げに注力かつ今後市場が成熟期に入っていく折りたたみ式機種と価格が逆転するなんて状況も全くないとは否定できない状況にあります。
ミドルレンジやハイエンドモデルは今後自分が何を求めているのか把握していない限り購入するのが難しく分かりやすい言葉に反応する人ほど損する時代になるのかもしれません。