今年のiPhone 13シリーズはマイナーアップデートで初めて5Gに対応したiPhone 12シリーズと比較すると買い替え需要は控え目。また事前情報では世界的な半導体不足の状況でもAppleは少なくとも2021年のiPhoneは影響を受けないとの予測。
ただ実際に蓋を開けてみればかなり深刻で減産を余儀なくされています。ただAppleにとって朗報があり、今回GizChinaによるとAppleは2021年10月に中国市場でシェア1位を獲得したと報告しているので簡単にまとめたいと思います。
約6年ぶりの快挙。
市場調査機関のCINNOResearchが2021年10月の中国市場における主要な5つのブランドの販売データを公開。AppleはiPhone 13シリーズを267万台販売しシェア1位を獲得したとしています。
iPhone 13シリーズの販売好調が大きな要因となっておりまたシェア率で見ると10月単月ですが中国市場の22%を占めているとしています。Appleにとって新型iPhoneを出す第4四半期は最も売れる時期になります。
なのでこの結果は当たり前と感じるかもしれませんが、Appleにとって単月とはいえ中国市場でシェア1位を獲得するのは約6年ぶりと、中国市場でAppleの人気が徐々に高まっている結果とも言えます。
値下げによる効果。
なぜシェア1位を獲得できたのか。同サイトはその理由に言及。Appleは販売地域によって価格を調整していますが関税などの税金で高くすることはあっても安くすることはなかなかない。ただ中国市場においてiPhone 13シリーズの価格設定はより柔軟になったとしています。
iPhone 12/128GBの発売当初の価格が6799元($1068)だったのに対してiPhone 13/128GBの価格は5999元($842)とかなりの値下げに。もともと中国市場でもiPhoneのブランド力はかなり強い。
ただ高くて購入しにくい。一方でiPhone 11などはその価格設定から中国で爆発的なヒットになったとされています。今回AppleがiPhone 13シリーズの価格をより柔軟に設定したからこそユーザーの反応がよかった可能性があるとしています。
ノッチの小型化。
iPhone 12シリーズと比較してiPhone 13シリーズはカラバリの変更などあるにせよほぼデザインが変わっていません。なのでユーザーからすれば最新機種を使っていると実感をしにくい可能性も。
ただ今回の情報によるとノッチの小型化がプラスに作用したとしています。ノッチがデカすぎてデザイン的にも嫌という面で今回の小型化は嬉しい一方で、まだまだ大きなノッチがあることに違いはなくデザイン的に劇的に改善されたわけじゃない。
ただ知っている人からすれば小さなノッチ=最新のiPhoneとなります。以前ほどではありませんが中国においてiPhoneを使っていることはある意味ステータスシンボル。
その中でも他人から見て既存機種と最新機種の分かりやすい違いがあるかどうか。iPhone 13シリーズでノッチが小型化したことでiPhoneの最新機種を使っていると他の人にアピールできる意味でプラスの作用をもたらしているとしています。
そもそもノッチが小型化したこと自体ほとんどのユーザーに認知されていないと思いますがデザインの変更はユーザーにとって買い替えの重要な動機になるとも言えます。
電池持ちの大幅な改善。
少なくとも前モデルと比較してiPhone 13シリーズの電池持ちは着実に改善。特に最上位モデルであるiPhone 13 Pro Maxの電池持ちはめちゃくちゃいいです。
もちろんモデルにもよりますがAndroidのフラッグシップモデルと比較すると電池持ちが良かったり悪かったり。また充電速度も遅いというデメリットもあります。
ただAndroidと比較して電池持ちが見劣りしがちだったのがiPhone 13シリーズで改善されたことでプラスに評価するユーザーが増えたとしています。
まとめ。
今グローバル市場でもかなりの勢いがあるXiaomiなど中華メーカー。ただ短期的に見た場合ですが本家本元の中国でAppleに足元をすくわれている状態です。安くスペックもいい。コスパが売りの中華スマホですがブランド力を持つメーカーが値下げを行なった場合太刀打ちできない可能性も。
コスパがいい機種を量産していると流動的なユーザーを掴むことでシェアをあげることができるかもしれませんが、そのユーザーを維持することは難しいのかもしれません。
コスパが押し出されている機種だと、この機種じゃなきゃダメという理由はほぼなく次もまた同じメーカーで買い替えようとなりにくい。そのためメーカーはエコシステムに取り込んだりしようとしています。
ただAppleには絶対的なブランド力とエコシステムがあります。今後長期で見れば中華メーカーの方がシェア上位を獲得すると思いますが、今回の結果は中華メーカーの弱点が浮き彫りになったようにも感じます。