SamsungとHUAWEIは折りたたみ式機種に早い段階から取り組んでおり今年はHonroやOppoも発売。また今年の後半までにはGoogleも発表すると予測されており今後さらに選択肢が増えると思います。
ここで一つ気になるのが折りたたみ式機種は今後トレンドになるのか。今回はGalaxy Z Fold 3を約2ヶ月使ってきたので長期レビューを合わせてまとめてみたいと思います。
本体の耐久性。
折りたたみ式機種に対して多くのユーザーが気になる部分の一つ目として本体の耐久性だと思います。SamsungはGalaxy Z Fold 3は20万回程度は折り畳んでも問題ないとしており期間としてみれば5年を想定。
ただユーザーの使用環境にもよります。通常のスマホもそうですが使用環境が設定しており極端に寒い場所や極端に暑い場所では使うことを避けるように決められておりこれは折りたたみ式機種も一緒。
動作環境 | 動作温度 | 相対湿度 |
Galaxy Z Fold 3 | 5°~35° | 35%〜85% |
iPhone 13 Pro Max | 0°~35° | 5%〜95%(結露しないこと) |
Google Pixel 6 Pro | 0°~35° | ? |
ちなみにGalaxy Z Fold 3は36°~40°であれば一時的に使用可能とされています。真冬の氷点下の環境や真夏の炎天下の環境では使うべきではなくこれは繰り返しになりますが他のスマホも同じく規定されており意識している人が少ないだけ。
ただディスプレイを折り畳めるという形状からも特に寒い環境だとディスプレイの折り目から割れやすいです。普通のスマホであればディスプレイにシワや折り目が発生することはないので同じ環境でも破損はしない。
おそらくこれは折り目やシワが今後改善されたとも使用環境外の場合は破損するリスクがあると思います。ただ3世代目になっており改良されたUTGの搭載で手触りがガラスに近づいており耐久性自体も改善。
初代の時は爪だけでも傷がついていましたがZ Fold 3では意図的にやらない限りは傷がつきにくい印象です。また記事執筆時点ではGalaxy Z Fold 3とGalaxy Z Flip 3のみがIPX8に対応しており念願の防水機能。
ただ防塵機能には対応していません。実際使っていて防塵機能の方が個人的に欲しいと思うことが多いです。
Galaxy Z シリーズはヒンジ部分にゴミや塵が入った場合内部のブラシが外に押し出す仕様になっています。そのため防塵規格に非対応であっても故障は初代よりはしにくい。
ただヒンジの形状の問題だと思いますがGalaxy Z Fold 3に関しては折り畳んだ時にヒンジ部分に隙間ができます。おそらくディスプレイへの配慮。
でもこの状態でポケットに入れて持ち運んだりするとポケットの中の塵とかが隙間から入りディスプレイにくっついていることが多く同じ非対応だとしてもこの隙間がなくなるだけでも安心感が違います。
ちなみに折り目やシワがかなり目立ちにくいとされているOppo Find NはSamsung製のUTGを採用しています。この2つで折り目に明確な差が生まれているのヒンジの構造の違いです。
Samsungがヒンジの改善により本体の薄型化と軽量化を目標にしていることからも今後改善してくる可能性が高い。他のメーカーにできていることをSamsungが出来ないはずがない。
耐久性は不安がないわけではありませんが普通のスマホでも使わない環境でなければ基本問題ないレベルまではきているように感じます。今年の上半期に発表されている機種は防水/防塵非対応ばかりなのでGalaxy Z Fold 4でどうなるのか。
ここでIP68にしっかり対応してくるならそこまで神経質にならずに使えるようになると思います。
ソフトのアプリの最適化。
2つ目としてソフト部分ですがGalaxy Z Fold 3が対応するか不明ですが今年中にはAndroid12Lが配信予定。折りたたみ式機種により最適化されたAndroid12の派生バージョンなので今より快適になる可能性。
ただOSが対応したとしてもアプリ側の問題も。例えばInstagramはタブレットにも未だ最適化されていない。尚更折りたたみ式機種に対応する未来なんて見えません。
なのでどんなにOSが強化されても全てのアプリがスマホのように最適化されるとは思えません。ただ個人的にAndroid12Lにちょっと期待しているのが表示。
あくまでもGalaxy Z Fold 3が基準の話になりますがスマホ版が拡大表示されているものがあります。
これがタブレット版があるものに関してはタブレット版を表示してくれるだけでも見やすくなると思います。
SamsungがOneUIである程度制御することも可能なのか一部情報によると折りたたみ式機種は開いた時に横幅があればあるほどタブレット版がある場合タブレット版を表示しやすくなる傾向にあるとしています。
なので本体のサイズやディスプレイのアスペクト比に影響されると思いますがもうちょっと上手く制御して欲しい。個人的にはLINEやTwitterなどよく使うアプリは本体側で制御ができるなら拡大表示ではなく切り替えて欲しい。
その辺含めて今後どのように進化するのか。まずAndroid12Lでどうなるのか非常に楽しみです。
カメラの進化。
そして3つ目としてはカメラですが高いお金を出して購入している以上スペックにもっと箔が欲しい。Galaxy Z Fold 3で見ればSamsungはプレミアムモデル扱いなのでカメラスペックはせめてS21 Ultraと同じにして欲しい。
Galaxy Z Fold 3に採用されていたカメラセンサーも個別に見れば数年前のハイエンドが搭載していたもの。なので単に安いカメラセンサーを搭載しているわけではないと思います。
ただその年のUltraモデルのカメラスペックとあまりにも差があるためカメラスペックが微妙で躊躇するユーザーも。自分だったら高くなってもいい。カメラスペースがないならカメラバンプがひどくなってもいいのでしっかり搭載して欲しいように感じます。
多くの人がそうだと思いますがスマホは出来るだけ1台で完結したい。まして折りたたみ式機種はタブレットとスマホをまとめちゃうような存在なので他のハイエンド同様にカメラをしっかりさせるだけでも今購入を躊躇しているユーザーも踏ん切りがつくかもしれません。
個人的にはGalaxyの派手な加工が好きではないですがせめてGalaxy Z Fold 3のカメラがGalaxy S21 Ultraと同じであればポートレートモードにズーム撮影などもっと使い勝手が良く満足度が高かったのでは?と思っちゃいます。
タブレットにカメラを求める人は少ないと思いますがスマホにカメラを求める人は多いと思います。
Galaxy Z Fold 4はGalaxy S22と同じカメラ構成になると予測されているので次もあまり期待できませんが個人的にはカメラもしっかり強化してくれた折りたたみ式機種に登場して欲しいです。
タブレットの代わりになるか。
そして4つ目としてタブレットの代わりになるかどうかです。自分はタブレットと完全に棲み分けをしています。手持ちにあるのはiPad Pro12.9インチで情報を消費するためにしか使っておらず仕事などでは滅多に使いません。
また普段使うタイミングが仕事が終わった後から寝るまでの間くらいで完全にダラダラする用です。そのためiPad Proは日中に触ることはほぼないです。
またディスプレイサイズが12.9インチなので手元にあるGalaxy Z Fold 3とディスプレイサイズに大きな違い。少なくともiPad Proと同じ使い方をGalaxy Z Fold 3で出来るとはいえ代わりになる存在ではないです。
ただ普段調べものをする時はiPad Proやパソコンですることが多い人間からするとスマホは小さく感じます。6.7インチのPixel 6 ProやiPhone 13 Pro Maxでもそう感じます。でもGalaxy Z Fold 3はちょうどいい。
自分の中で日中はGalaxy Z Fold 3という小型タブレットを使って夜はiPad Proという大型タブレット。タブレットは出来るだけ大型の物が欲しいと思っているからこそ自分は折りたたみ式機種との相性がいい。
昔はiPadを持ち運んでいたため一応毎回セルラーモデルを購入していますがフリーランスになってからiPad Proを持ち運ぶとすれば旅行行く時くらいでほぼなく普段出かける時などでは今更持ち運びたくない。
でもタブレットに慣れている自分からすれば出先でスマホサイズになると小さくてストレスに感じる。折りたたみ式機種はタブレットほど大きくないけどポケットに入れて運べるのでまじで絶妙です。
あくまでも折りたたみ式機種はスマホです。なのでもっと大きなディスプレイを搭載したスマホが欲しい。けど大型モデルになると片手操作がしにくくなる。こんなユーザーのニーズを上手く汲み取った機種だと思います。
正直タブレットになるかどうかはユーザー次第です。ただ折りたたみ式機種はあくまでもスマホの延長線でありタブレットの不満を改善するものではなくスマホの改善するものであることを間違わなければ自分にとって必要なのかどうか判断しやすいと思います。
タブレットを今所持しているユーザーはスマホの不満を解決するために所持しているのか。タブレットでやりたいことがあるから所持したのかと考えれば折りたたみ式機種が代用になるかどうかも判断しやすいように感じます。
まとめ
自分は今までGalaxy FoldにZ Fold 2 そしてHUAWEI Mate XsにGalaxy Z Fold 3と購入してきましたが最初に購入した3台の時はそこまでハマりませんでした。ただZ Fold 3でディスプレイの耐久性が改善。
さらに防水に対応したことで天気が悪い日でもまだ持ち運びしやすくなったなど自分の中で折りたたみ式機種のネックになっていたのが耐久性だったことを改めて実感。ディスプレイサイズは初代から大して変わっていない。
でも今ハマったということは安心して使えるようになったからだと思います。折りたたみ式機種だからといって特別視する必要性はなく他のハイエンドと同様に必要な人にとっては必要。
不要な人にとって不要であり自分にとっては国内で使う以上現時点での最善はGalaxy Z Fold 3になります。なのでたとえ24万円であっても満足度が高いのでコスパはめちゃくちゃ高いです。
今年はPixel NotePadやGalaxy Z Fold 4 そしてタブレットとしてGalaxy Tab S8 Ultraと楽しみがいっぱいです。