Samsungの固執なのか。それとも迷走なのか定かではありませんがS-Pen対応が特徴であったGalaxy NoteシリーズはGalaxy Note20を最後に廃止。ただ一方でGalaxy S21 Ultraは外付けではありますがS-Penに対応。
そしてGalaxy S22 UltraではS-Penを内蔵。
さらにデザインも従来のNoteシリーズのデザインを採用しておりGalaxy S22シリーズ全体で見れば統一感がないデザインとなっておりユーザーにとって分かりにくいデザインにも感じます。
国内ではauとdocomoから発売が予測されているGalaxy S22 Ultraですが今回Galaxy S22 UltraとGalaxy S21 Ultraとの違いについて実機をもとにまとめたいと思います。
デザインを確認。
Samsungが公式発表したわけではありませんが最後のNoteとなったGalaxy Note20の売上は1000万台。一方で販売不調だったとされているGalaxy S20はそれでも2600万台程度は売れたとされています。
SamsungはGalaxy Zシリーズ含めフラッグシップモデルのラインナップを見直しによりGalaxy SシリーズとGalaxy Noteシリーズを統廃合したとされていますが販売不調だったGalaxy Noteのデザインと特徴をそのままSシリーズに採用して影響がないのか。
アメリカや韓国における予約状況を見る限りではその心配をする杞憂なのかもしれませんがまずデザインから好みが出る部分だと思います。
どちらも同じ6.8インチのディスプレイを採用。ただ採用されているアスペクト比が異なりGalaxy S21 Ultraの方が縦長で横幅スリムです。
ここ数年のGalaxy Sシリーズのアスペクト比は20:9と縦長傾向でしたがGalaxy S22 Ultraは従来のNoteシリーズが採用していたアスペクト比19.3:9に戻った感じです。
S21 Ultra | S22 Ultra | |
本体サイズ | 165.1×75.6×8.9mm | 163.3×77.9×8.9mm |
重さ | 229g | 229g |
アスペクト比 | 20:9 | 19.3:9 |
S-Penを内蔵させるために仕方ない措置なのかもしれませんが横幅増した分持ちにくくなっています。ただ従来のNoteシリーズと比較するとEdge部分がそこまで湾曲していないので誤反応しにくい。
まだGalaxy S22 Ultraを短期間しか使っていないため今後評価が変わるかもしれませんが誤反応は実際に使っていてかなりのストレスになるため誤反応が減ったのは嬉しい。
重さも本体の厚みも一緒。なので単純に横幅がある分Galaxy S22 Ultraの方が持ちにくいです。
またGalaxy S22 Ultraはアーマーアルミフレームに加え両面ともGorilla Glass Victus+を採用。そのため耐久性は大幅に改善していますが海外サイトのレビューを見る限り落下にそこまで強くない。
ガラスの耐久性の改善で引っ掻き傷やすり傷に強くなっている感じで落とせばやはり破損します。なのでGalaxy S22 Ultraの方が耐久性が改善しているとはいえ持ちにくくなっているため落とすリスクも高いと思います。
なので個人的にはGalaxy S22 Ultraの耐久性の改善はそこまでアドバンテージだと思っておらず両機種ともフィルムやケースを使うべきだと思います。カメラデザインは賛否があると思います。
Galaxy S22 Ultraはカメラバンプがほとんどなくなりましたがレンズそれぞれが独立した感じ。そのためiPhoneのようにタピオカデザインと言われてもおかしくないデザインに感じます。
あと個人的にですがGalaxy S21 Ultraのブラックの質感は本当にかっこいいと思っていますが唯一残念に感じるのがサイドフレームが光沢感ある質感であること。
高級感を演出するためなのか。折角背面は指紋が目立ちにくいのにサイドフレームが指紋が目立ちやすく残念な感じでした。一方でGalaxy S22 Ultraはカラバリによるのかもしれませんがサイドフレームがマット仕上げに。
バックパネルも指紋が目立ちにくく個人的には質感が統一されたのは単純に嬉しい。質感の高さはどちらも高く個人的にNoteシリーズの方が好きだったためGalaxy S22 Ultraの方が好き。
ディスプレイを確認。
次にディスプレイですがスペックの前にGalaxy S22 Ultraで残念なのが初期フィルムがカット。全ての販売地域において共通してカットされているのか現時点で把握していませんが期待しない方がいい。
両機種とも共通して画面内指紋センサーにEdgeスタイルの組み合わせでアクセサリーとの相性がでます。SamsungはGalaxy S22シリーズでGorilla Glass Victusに対応したことから耐久性は十分。
そのためカットしたみたいですが傷がつかないとは言い切れないのでやはりつけておいた方がいい。ユーザーからすればアクセサリーの分コストがかかること。個人的にはお金より何より貼るのが苦手。
相性を考えればTPUフィルムとかになりますが苦手なものを貼る方がよほどストレスです。文句を言っても変わるわけではないので仕方ないですが今後常に必要となると残念です。
ディスプレイスペックで見れば大きな違いはなくディスプレイ輝度とリフレッシュレートくらいです。
S21 Ultra | S22 Ultra | |
ディスプレイサイズ | 6.8 | 6.8 |
表示解像度 | 3200×1440 | 3080×1440 |
画素密度 | 516ppi | 500ppi |
リフレッシュレート | 10~120Hz(可変式) | 1~120Hz(可変式) |
ディスプレイ輝度 | 1500nits | 1750nits |
ディスプレイ輝度の違い。
映り込みもあるため分かりにくいと思いますが比較してみました。まず上記の画像はディスプレイ輝度を30%に設定。
次に50%に設定。
そして70%に設定。
最後に100%に設定。確かに50%あたりからGalaxy S22 Ultraの方が明るい。ただ個人的にはGalaxy S21 Ultraの時点で十分な明るさで特段困ったことがないのでGalaxy S22 Ultraのディスプレイを見ても印象は変わらず。
これから夏の屋外で使えば印象が変わるのかもしれませんが暑い夏の時期に外でHDR対応の動画を見ることはほぼないと思うので個人的には明るいよね以上の印象がありません。
リフレッシュレートの差。
またGalaxy S22 Ultraは最低1Hzまでリフレッシュレートを落とすことができるため消費電力効率の改善に繋がっていると思います。ただ実際に使っていてその差を実感することは難しくユーザーとして恩恵を感じにくい印象です。
また韓国からの情報として両機種で採用されているディスプレイはM11と同じだとしています。つまりGalaxy S22 Ultraのスペックの進化はハードではなくソフト面による強化になります。
差を実感するとなるとGalaxy S22 Ultraの方が横幅が広いためコンテンツが僅かに大きい。けどGalaxy S21 Ultraの方が縦幅があるため僅かに表示できる情報量が多いという感じです。
S-Penの差も実感できず。
またS-Penには両機種とも対応しておりGalaxy S22 Ultraはレイテンシーが改善され2.9msに。そのためペンで書く時によりタイムラグなく書けるようになっていますが普段使わない自分にとってそこまで違いが分からないです。
それよりもGalaxy S22 UltraのS-PenはBluetoothに対応したことでカメラのシャッターを遠隔操作できるなど分かりやすい違いがあります。ディスプレイ全体で見ればよりディスプレイは高精細になったように感じる。
また明るくなりましたがそこまで大きなアドバンテージがあるような印象は受けません。
基礎スペックを確認。
次に基礎スペックを確認すると手持ちは共通してRAM12GBでAndroid12にアップデート済み。両機種ともSDカードスロットには非対応。またSoCに関してはどちらも話題の発熱問題。
手持ちの場合 | S21 Ultra | S22 Ultra |
OS | Android12 | |
SoC | Snapdragon888 | Snapdragon 8 Gen 1 |
RAM/ROM | 12GB/256GB | 12GB/512GB |
SDカードスロット | × | |
イヤホンジャック | × | |
生体認証 | 顔/指紋 |
発熱はどうなのか
前モデル対比でGalaxy S22 Ultraはより発熱対策が強化されていますが実際にはどうなのか。とりあえずベンチマークを3回連続で回してみました。
スコアに関しては正直参考にならない。少なくとも自分の使い方だとこのスコア差を実感することはできないです。
内部温度を確認すると最高温度はGalaxy S21 Ultraの方が僅かに高くなるという感じ。ただ内部温度よりも実際に触った時にGalaxy S21 Ultraはかなり熱いなという印象ですがGalaxy S22 Ultraはそこまでじゃないという印象で実際に持った時の印象は違います。
ただGalaxy S22 Ultraも熱くなることに違いはないけどGalaxy S21 Ultraよりはマシです。あと両機種とも共通して冷えるのは早い。少なくともベンチマークを回した時の印象でありユーザーの使い方によってはまた印象が変わってくる可能性も十分にありえます。
電池持ちはどうなのか。
また電池持ちに関してはGalaxy S22 Ultraの最適化が終了していないこともあり余計に悪い。今使っている感じだとGalaxy S22 Ultraの電池持ちはかなり厳しいという感じです。
海外のYouTuberが公開しているバッテリーテストをみる限りでは悪化しているとの結果が多い。
ちなみにいつも参考にしているGSM Arenaのバッテリーテストの結果をまとめると以下のようになります。
バッテリーテスト | |
Galaxy S21 Ultra | 114 |
Galaxy S22 Ultra | 108 |
Galaxy S20 Ultra | 87 |
バッテリーの最適化が進めば今後安定するのかもしれません。
もちろん使い方次第の面もありますが同じバッテリー容量でGalaxy S22 Ultraはスペックで見ればSoCとリフレッシュレートにより消費電力効率が改善しているはずですが結果は悪化。
何が原因で電池持ちが悪化しているのか気になるところですが現時点で不明という感じです。少なくとも最適化が終了した後でもGalaxy S21 Ultraより電池持ちが良くなることはないと思います。
指紋認証は変わらず。
また生体認証に関しては顔/指紋は共通。実際に比較してみても大きな違いを感じることはできず。一部情報によると採用されている超音波式指紋センサー自体も同じとされています。
進化しなかったと思うと残念ですがGalaxy S21 Ultraの時点でかなり快適だったので問題ないと思います。
スピーカーの差。
そして音量を50%に設定してスピーカーの比較テストをしてみましたが音量に関してはGalaxy S22 Ultraの方が明らかに大きい。ただ音質に関しては微妙な感じ。
両機種ともDolby AtmosはオンにしてありますがGalaxy S22 Ultraの方がエフェクトが強いのか音にまとまりがないにように個人的には聞こえます。少なくとも音質が改善した印象はありません。
ただわかりやすく音量は大きくなったという感じです。基礎スペックを見ても大きな違いはなくやはり気にするべきは発熱と電池持ちだと思います。この部分とユーザビリティに直結することであり電池持ちが悪いGalaxy S22 Ultraはちょっと不利。
また国内モデルはどうなるか不明ですが両機種とも共通してメジャーアップデートが4回に対応。なので発売年の違いでGalaxy S22 Ultraの方がアップデートサポート期間が長いです。
カメラを確認。
そして最後にカメラを確認したいと思います。スペック的に見ればカメラセンサーの刷新など着実に進化をしていますがスペックどうこうでは分かりにくく見たまんまで判断するのが一番。
今回基本1倍は108MPの高画素モードで撮影。またGalaxy S22 Ultraは新機能であるディテールエンハンサーをオンにして撮影してあります。写真のサンプルをご確認下さい。
超広角で撮影。
まずGalaxy S21 Ultraで撮影。
次にGalaxy S22 Ultraで撮影。超広角レンズ特有の歪みはGalaxy S21 Ultraの方が僅かにひどく感じますが、全体的にGalaxy S22 Ultraはぼやっとしている感じ。
広角(108MP)で撮影。
次にGalaxy S21 Ultraで撮影。
そしてGalaxy S22 Ultraで撮影。
次にGalaxy S21 Ultraで撮影。
そしてGalaxy S22 Ultraで撮影。サンプルにもよりますが同じ108MPでもGalaxy S22 Ultraの方が色が控えめというべきか。現実よりのことが多めという感じです。Galaxy S21 Ultraの方が分かりやすい写真が撮影できるよいう感じ。
広角(108MP)で接写。
次にGalaxy S21 Ultraで撮影。
そしてGalaxy S22 Ultraで撮影。
次にGalaxy S21 Ultraで撮影。
そしてGalaxy S22 Ultraで撮影。写真の色味に関してはGalaxy S22 Ultraの方が僅かに落ち着いた印象を受けますがまだ派手です。
ズームで撮影。
次にGalaxy S21 Ultraで10倍で撮影。
そしてGalaxy S22 Ultraで10倍で撮影。この時点でノイズに差があることを確認できます。
次にGalaxy S21 Ultraで50倍で撮影。
そしてGalaxy S22 Ultraで50倍で撮影。
Galaxy S21 Ultraで100倍で撮影。
そしてGalaxy S22 Ultraで100倍で撮影。またズーム撮影に関して10倍程度だとそこまで差があるわけではありませんが100倍になると明らかに画質に差があることを確認できます。
高倍率ズームが好きな人には嬉しいところ。とはいえまだまだ画質がいいというレベルではないので今後の改善に期待です。
ポートレート動画撮影。
まずGalaxy S21 Ultraで撮影。
正直個人的には嬉しいのがポートレート動画。明らかにGalaxy S22 Ultraは改善されておりより被写界深度が浅く撮影できる。またフォーカスが合うのも早いという印象です。
個人的にはiPhone 13のシネマティックモードにハマっておりAndroidでもこの手の撮影ができるのは嬉しく僅か1世代でもかなり実用性が改善されたように感じます。
ナイトモード撮影。
また全て手持ちかつナイトモードで低照度の環境においてサンプルを撮影してきました。まず上記の画像はGalaxy S21 Ultraで撮影。
次にGalaxy S22 Ultraで撮影。
次にGalaxy S21 Ultraで撮影。
そしてGalaxy S22 Ultraで撮影。Galaxy S21 Ulrraより赤みが改善されている印象を受けます。何より着実に改善されていることを確認。
スマホのカメラでの撮影に不向きな夜の公園でも改善していることをしっかり確認できるので夜の街中だとよりはっきりと改善していることを確認できると思います。
Galaxy S21 Ultraで撮影。
そしてGalaxy S22 Ultraで撮影。
またメインカメラセンサーのみですがGalaxy S22 Ultraはスーパークリアレンズを搭載しておりもともと白飛びなどに強かったですがフレアやゴーストなども発生しにくくなっています。
ただ注意点としては発生しにくくなっているだけで発生しないわけではありません。まだまだGalaxy S22 Ultraを試しきれていませんが比較すればしっかりと進化しています。
特に低照度の環境での撮影を重要視している人にとっては魅力的な選択肢に感じます。
まとめ。
今回は一年でどの程度進化したのかGalaxy S21 UltraとGalaxy S22 Ultraを比較してみました。国内でGalaxy S21 Ultraはdocomo専売モデル。一方で記事執筆時点での情報であればGalaxy S22 Ultraはauからも発売という感じ。
価格に関しては記事執筆時点で不明ですがグローバルモデルと同じであれば据え置き。なのでdocomoで見れば15万円ちょいという感じかも。
自分はGalaxy S22 Ultraのデザインの方が好きですが電池持ちなどを考慮するとGalaxy S21 Ultraの方がおすすめしやすい感じもしますがオンラインショップでは在庫ない。
あとは実店舗に在庫があればという感じです。あれだけSnapdragon 888は不安定と言われてきたのに最新機種の方が電池持ちが悪いってちょっと複雑ですよね。
何より自分の中でボケ感のある動画撮影ができるAndroid機種が欲しかったのでそれだけでもGalaxy S22 Ultraの方がいいですが、安く購入できるのであれば多くの人にとってGalaxy S21 Ultraでもいいように感じます。