日本では持ちやすいコンパクトモデルの方がニーズが高いですがグローバル市場では大型モデルが人気。メーカーがそもそもラインナップを用意していないいということもありますが6.0インチ以下の機種の市場シェアは全体の1割程度で圧倒的少数。
また5Gの拡大に伴い今後大型モデルのニーズがより高まっています。各メーカーが市場のニーズを汲み取り自社製品を進化させていますがメーカーの動きを阻害する流れも。
今回Livedoor NEWSによると欧州議会がバッテリーを交換可能を義務付ける規則が採択されたのでまとめたいと思います。
欧州議会での採決。
今回の記事は執筆時点における情報であり今後流れが変わる可能性もあるのでご了承下さい。
今回の情報によるとEUの立法組織である欧州議会がバッテリーのある製品においてバッテリーの取り外しや交換を可能にすることを義務づける規則を採択したことが判明。
以前のガラケーはバッテリーが交換可能でしたが今のスマホは内蔵式であり簡単には交換できません。そして欧州議会によるとバッテリー寿命が製品寿命を実質的に左右していることを問題視しておりユーザーの利便性や環境への負荷といった面で特に問題があるとしています。
またドイツの新聞社の調査によれば2025年におけるバッテリー市場は3兆円規模にも及ぶとしており今後拡大する一方でバッテリーのリサイクル率や交換可能性は低いままだと指摘しています。
またロシアのウクライナ信仰に影響からもバッテリーの原材料調達の脆弱性からも今後バッテリーに関する規制の重要性が高まっているとしており今回の採決に繋がったとしています。
今回の採決の概要 |
バッテリーの製造/回収リサイクルといった過程におけるカーボンフットプリントの可視化 |
原料のリサイクル |
バッテリー性能や耐久性の明示 |
バッテリーが取り外し可能であること |
交換用バッテリーを製品の市場投入から10年間以上は利用可能にすること |
今回の採決が発効するまでには欧州議会より強力な権限を持つ欧州連合理事会での採択や加盟国における法案の調整が必要となるため業界に対する猶予期間なども含めるとEUで販売される全ての製品でバッテリーが交換になるのは2026年かそれ以降になるとしています。
あくまでも効力を持つのはEUにおいてですがグローバル市場で製品を発売している企業は結局EUの採決に合わせて今後製品の開発を変更していく可能性が高いことになります。
iPhoneのLightningの廃止。
欧州議会の採決においてガジェット界隈で話題となったのが充電規格をUSB-Cに統一すること。中華スマホのめちゃくちゃ安いやつが何を採用しているのか把握していませんが基本AndroidはUSB-Cなので問題なし。
ただiPhoneに関しては独自規格であるLightningを採用。
MacやiPad含めて全てのApple製品がLightningを共通して採用しているのであればユーザーから不満が出にくかったのかもしれませんがMacやiPadはUSB-Cへの移行が進んでおりiPhoneくらいがLightningを採用。
LightningがいいのかUSB-Cがいいのかはユーザー次第。個人的にはiPhoneを充電する場合はMagSafeで充電。そしてiPadやMacBookを充電する時はUSB-Cを使っておりiPhoneがMagSafeに対応したから余計に充電規格はどちらでもいい感じに。
ただ外部アクセサリーを使うユーザーにとってはUSB-Cで規格を統一できた方が便利かもしれません。
少なくとも欧州議会の採決から効力発効後EUでiPhoneを発売するにはUSB-Cが必須になります。ただAppleはUSB-Cを採用する前にポートレスにする可能性があるとも予測されています。
そのための変更なのか一部情報ではSIMトレイも廃止して完全にeSIMのみのモデルが登場する可能性。そしてSIMトレイがあった場所に緊急用のポートを搭載して基本は全てワイヤレス充電に変更。
ただポートレスになってしまうと外部アクセサリーと有線で接続する方法がなくなること。また現状でMagSafeの充電速度は15Wとかなり遅めなので充電速度の改善も必要になってきます。
Appleが欧州議会の採決を受けてポートレスへの移行を本格的に進め始めるようになったのか。採決のタイミングとAppleの計画のタイミングがたまたま近かったのかは分からないです。
ただ欧州議会の採決を受けてAppleが製品開発の計画を変更しているのであれば遠回しに製品開発に口出しが出来ることになるのでやはりいい流れではないように感じます。
内蔵式のメリット。
iPhoneのUSB-Cは充電規格の統一という面でもウエルカムな声が多い印象です。ただバッテリーの取り外し可能にするのは個人的には正直デメリットの方が多い印象です。
スマホの多くがバッテリーを交換できない仕様にしているのはメーカーがスマホを買い替えさせるためと言われることがかなり多いですが内蔵式の方がメリットが多いから仕様が変更されたと思います。
メリットとしてはバッテリーの形状の自由化です。デジタル機器の多くに採用されているリチウムイオン電池がどんなイメージかといえばおそらく単三や単四などの乾電池のイメージが強い。
ただスマホに採用されているバッテリーは厳密にいえばリチウムポリマーという技術が採用。
その結果感電池のように表面が硬いわけではなく樹脂のフィルムで覆われている感じです。そのため本体内部スペースに合わせてバッテリー自体をギリギリまで大きくすることが可能に。
また現行モデルではコストカットのため採用されていませんがiPhone 11 Pro Maxなどはうろ覚えですがL字型のバッテリーを採用するなど設計に合わせてバッテリーの形状も変更できる。
そのため本体の内部スペースに無駄なく最大容量のバッテリーを搭載できているのがメリット。当たり前ですがバッテリーの内蔵式は最初から評価されていたわけではなく不満の声が大きかった。
今でも取り外し可能なものも存在しておりそれは市場のニーズとして残っている感じです。
ただ一般消費者は内蔵式の方が本体が薄くなり電池持ちも良くなることから評価が高くなりメーカーもそのニーズに合わせて内蔵式にどんどん切り替わっていたとされています。
取り外しのデメリット。
ただ一方で取り外しが可能であった方が便利と思うユーザーもいて現状でバッテリーを交換する場合は個人でやる場合保証対象外の分解。もしくは正規店での修理としての交換が可能という感じ。なのでちょっとハードルは高め。
取り外し可能に戻す場合まず電池の液漏れや衝撃による故障が発生しないようにバッテリーを保護。そのため内蔵式のように表面が樹脂フィルムというわけにはいかず昔のようながっちりした感じに。
ただバッテリーを保護するためにはバッテリーの外装をつけることになるため従来と同じ内部スペースなら単純に外装をつけた分バッテリー容量は小さくなるので小型化します。
また不可能ではありませんがバッテリーの形状は本体の内部スペースに合わせて柔軟な形状が難しい。
さらに安全にバッテリーを収納できるスペースを確保する必要があることからもバッテリーを換装するためによりスペースを確保する分さらにバッテリーが小型化する流れに。
そしてメーカーとしてバッテリーの交換式で一番怖いのサードパーティ製を使われる可能性。基本純正品が一番安全ですが高いことが多い。なのでユーザーとしては少しでも安くするためにサードパーティ製がを購入する場合も。
このサードパーティ製がどの機種に対応しているかどうかを調べることはあってもバッテリーの知識に精通していない限り粗悪品かどうかは判断できない。となると結果今まで以上にバッテリーによる発火や爆発などの事故が発生しやすくなる可能性も。
またバッテリーの取り外しが強制になれば本体のデザインも変更が必須になる可能性があり。今のハイエンドみたくバックパネルにがガラスを採用するのは難しく裏蓋が必須になるならプラスチックの方がいい。
背面からではなく側面から取り外せるようにするなら本体の厚みが増す。
また中華スマホを中心に急速充電が大幅に強化されていますがサードパーティ製を使われるリスクを考えると急速充電も安全性を優先したら退化する可能性もあります。
また交換用のバッテリーは製品の市場導入から10年間以上は利用可能にすると規定されているため10年間縛られてしまうことからバッテリー自体が進化しにくくなるというデメリットもあります。
今後メーカーが全力で考えると思いますが現状で見るとあまりいい未来が見えません。結局Apple Watchなどウエアラブルデバイスも本体の厚みが増すことは間違いないので。
まとめ
今回は欧州議会による新たな採決についてまとめてみました。環境への配慮としていますがもっと修理がしやすい環境を構築するとか。逆にモバイルバッテリーはバカみたく新製品がでている中そこは問題視しないのかとか個人的には疑問に思うことが地味にあります。
なんでもかんでも環境への配慮という言葉を使うと結果的には時代の逆行になり違う場所に皺寄せ。そんな先の話ではないので今後どのような感じになるのか非常に気になるところです。