迷走なのか。進化なのか。Galaxy S22正式発表。スペックにデザインに価格総まとめ

中華メーカーの多くは2021年の年末から1月においてすでに新製品を発表し多くの機種はすでに発売されています。大手メーカーの中では新製品を最も早く発表するというイメージのSamsungは昨年より約1ヶ月遅れでイベントを開催。

今回は日本時間の2月10日に開催されたイベントで発表されたGalaxy S22シリーズについてまとめたいと思います。

変わらないデザインと変わり過ぎたデザイン。

スマートフォン市場が飽和期に入っていること。さらにコロナ以降多くのメーカーハイエンドを中心に販売を苦戦。SamsungもGalaxy S20シリーズの販売は不調に終わり2021年のGalaxy S21から価格を優先した路線に。

この流れは今回発表されたGalaxy S22シリーズでも踏襲されています。今回発表された3モデルをざっくりとした違いを確認したいと思います。まずデザインから確認していきます。

デザイン S22 S22+ S22 Ultra
本体サイズ 146,0 x 70,6 x 7,6 mm 157,4 x 75,8 x 7,6 mm 163,3 x 77,9 x 8,9 mm
重さ 168g 196g 227g
カラバリ ブラック/ホワイト/グリーン/ピンクゴールド ブラック/ホワイト/グリーン/ブルゴーニュ

筐体サイズで見ればGalaxy S22とGalaxy S22+は前モデル対比で僅かに小型化。また前モデルはサイドフレームとカメラバンプが一体化したようなデザインでしたがGalaxy S22とGalaxy S22+に関してはサイドフレームと一体化しているようには見えません。

一方で最上位モデルであるS22 Ultraに関しては前モデルと大きく異なり従来のNoteシリーズ寄りのデザインです。Galaxy Note20 Ultraと比較してもGalaxy S22 Ultraは僅かに大きくなっており重さ含めて重量級になっています。

ちなみに3モデルとも共通してバックパネルにガラスが採用。Gorilla Glass Victus+なので耐久性も問題なし。発売地域やキャリアによって扱うカラバリは異なると思いますが3モデルともそれぞれ4色展開となっています。

カラバリに違いはあれどGalaxy S22とGalaxy S22+はぱっと見のデザインにほぼ変化がなくGalaxy S22 Ultraはデザインが変わりすぎ。また名称的に見れば同じシリーズですがデザインで判断すれば少なくとも統一性のあるデザインではありません。

来年以降どうなるか不明ですがSamsungが拘りを持っているS-PenをSシリーズ全モデルに対応させデザインを統一させる可能性。またGalaxy S22 Ultraのみがカメラバンプがほぼないデザインに。

他の2モデルと比較して本体の厚み自体もありますが今後カメラバンプがなくなる方向のデザインになるのかも気になるところです。カメラ部分は大型センサーにクアッドレンズカメラとまだまだでかいですがバンプがなくなっただけでも好印象です。

ちなみにGalaxy Note20シリーズの時によく言われましたが右利きが多い中でS-Penがなぜ左側に搭載されているのか。これはおそらく内部スペースの問題で右側に搭載したくてもカメラ部分に干渉して搭載できないんだと思われます。

また先ほどの4色とは別にSamsungオンラインショップ限定のカラバリも用意されておりGalaxy S22 Ultraがグラファイト/レッド/スカイブルーの3色。そしてGalaxy S22がクリーム/グラファイト/スカイブルー/バイオレットの4色が用意されています。

個人的にはレギュラー色よりオンライン限定色の方がかなり魅力的に感じてしまいます。

リフレッシュレートの進化。

次にディスプレイですがGalaxy S22とGalaxy S22+に関しては本体サイズの小型化もありディスプレイサイズも小型化しています。

ディスプレイ S22 S22+ S22 Ultra
サイズ 6.1 6.5 6.8
表示解像度 2340×1080(Dynamic AMOLED 2X) 3080×1440(Dynamic AMOLED 2X)
画素密度 425ppi 393ppi 500ppi
リフレッシュレート 120Hz(10~120Hz) 120Hz(1~120Hz)
耐久性 Gorilla Glass Victus+
ディスプレイ輝度 1500nits 1750nits 1750nits
アスペクト比 19.5:9 19.3:9

3モデルとも共通してSamsung製の有機ELディスプレイを搭載しており品質は問題ないと思います。主な進化ポイントとしては2つあり一つ目としてはリフレッシュレートです。Galaxy S21とGalaxy S21+は45Hzからの120Hz表示に対応。

ただ後継機種では最低が10Hz表示まで下がります。可変式非対応の機種であれば基本リフレッシュレートは固定されています。なのでコンテンツが静止している写真でも対応しているリフレッシュレートで表示されるため無駄が多い。

結果電池を無駄に消費していることになりますがGalaxy S22とGalaxy S22+は最低10Hz表示まで落とすことができるのでより消費電力効率が改善しています。

またS22 Ultraに関しては1Hzまで落とすことができさらに第2世代を採用。このため他の条件が一緒だとしても採用されているディスプレイだけで消費電力効率がしっかりと改善に。

またディスプレイ輝度も改善されておりGalaxy S22以外は最大1750nitsに対応。個人的にはGalaxy S21 Ultraの1500nitsで不満に感じたことが特段ないのでディスプレイ輝度の強化による電池持ちへの影響の方が気になります。

あとはGalaxy S22 Ultraのみお得意のEdgeスタイルを採用していることからEdge部分の誤反応が気になります。

Galaxy Note20 Ultraの時ほどディスプレイが湾曲しているわけではありませんが毎回制御が甘くアプリありきなのでGalaxy S22 Ultraでも大して変わっていないのか。それともソフトがしっかり強化されているのか気になります。

順当なアップデート。

基礎スペックに関しては順当なアップデートという感じです。

基礎スペック S22 S22+ S22 Ultra
OS Android12(OneUI4.1)
アップデートサポート期間 メジャーアップデートが4年/セキュリティパッチが5年
SoC Exynos2200/Snapdragon 8 Gen 1
RAM 8GB 8/12GB
ストレージ 128/256GB 128/256/512GB/1TB
UWB ×
SDカードスロット ×
イヤホンジャック ×
生体認証 顔/指紋
防水/防塵 IP68
バッテリー 3700mAh 4500mAh 5000mAh
充電速度 25W 45W 45W
ワイヤレス/バッテリーシェア
その他 Bluetooth 5.2、USB Typ C 3.2 Gen 1、NFC、Wi-Fi 6(WLAN AX)

発売地域によって搭載しているSoCが異なります。ざっくり言えばアジア圏とアメリカがSnapdragon 8 Gen 1でその他の地域がExynos2200を搭載しています。

差がつかないようにチューニングしているとは思いますが歴代Galaxyを見る限りはSnapdragonの方が安定しています。また発売地域によって容量構成も異なります。

Galaxy S22 Ultraに関しては多くの地域でRAM12GB/ROM256GBあたりが有力。ただ今回本体価格を安く見せるために最小構成としてRAM8GB/ROM128GBモデル一部市場で発売される感じです。

SDカードスロットに関しては前モデル同様に非対応。先日アンケートをとらさせて頂きましたが必要と答えているユーザーはうちのチャンネルでは約半数でしたが実際にはもっと必要に感じている人が少ないのかも。

ラインナップが豊富で膨大なデータを抱えているSamsungが内部スペースの問題などハード的な側面だけでSDカードスロットを廃止するとは思えません。ただクラウドサービスへの移行を進める狙いはあるかもしれません。

基礎スペックで見れば相変わらずユーザーのニーズをしっかりと満たしている仕様となっています。ただ気になる部分もあって一つは電池持ちGalaxy S22とGalaxy S22+に関しては前モデル対比でバッテリー容量が300mAh減少。

リフレッシュレートによる消費電力効率の改善は期待できますがどの程度カバーできるのか。海外サイトのバッテリーテストを参考にするとGalaxy S21とGalaxy S21+の電池持ちは安定していたので気になります。

ただ一方でS22 Ultraに関してはバッテリー容量は変わらずディスプレイの消費電力効率が改善しているためSnapdragonにしろExynosにしろSoCがやらかしていない限りは電池持ちの改善に期待できます。

どちらのSoCとも正直発熱に不安があります。ただSnapdragon888の時点で発熱/放熱対策を頑張っていたこと。またさらに発熱対策が強化されているみたいので前モデルよりもさらに安定している可能性があります。

基礎スペックの部分においては順当という感じですが大幅な進化とも言えるのがアップデートサポート期間。2019年以降に発売された機種は基本メジャーアップデートが3回にセキュリティパッチが4年の保証に対応。

ただ今回Galaxy S22シリーズやGalaxy S21シリーズにGalaxy Z Fold 3やGalaxy Z Flip 3など対象機種は限定されていますがメジャーアップデートが4回にセキュリティアップデートが5年に対応。

セキュリティパッチはPixel 6と同じ。そしてメジャーアップデートに関しては動画撮影時点でAndroid最長と大きな飛躍になります。それだけSamsungもアップデート関連にはかなり力を入れて開発していると思われます。

カメラソフトによる最適化。

カメラに関してシリーズ通しての共通点として望遠レンズの改善。

カメラ S22 S22+ S22 Ultra
メイン 50MP/85°、f / 1.8、23mm、1 / 1.56 “、1.0、m、OIS、2PD 108MP/85°、f / 1.8、2PD、OIS
超広角 12MP/120°、f / 2.2、13mm、 1 / 2.55 “、1.4)m 12MP/120°、f / 2.2、13mm、1 / 2.55 “、1.4 µm、2PD、AF
望遠 10MP/36°、f / 2.4、69mm、1 / 3.94″、1.0、m、OIS 10MP/36°、f / 2.4、69mm、1 / 3.52 “、1.12 µm、2PD、OIS
望遠 10MP/11°、f / 4.9、230mm、1 / 3.52″、1.12 µm、2PD、OIS
インカメラ 10MP/f / 2.2、80°、25mm、1 / 3.24 “、1.22 µm、2PD 40MP/f / 2.2、80°、25mm、1 / 2.8 “、0.7 µm、AF

S22とS22+は画素数が10MPに変更され、さらにハイブリットではなく光学式3倍に対応。Galaxy S22 Ultraに関しては2つの望遠レンズが刷新されており
光学式3倍と光学式10倍に対応しています。

ズーム倍率自体は変わっていませんが画質の改善に期待できます。またレンズ部分がプラスチックであることが多いですがS22 Ultraはスーパークリアレンズとガラスを採用。

ゲームチェンジャーになる可能性があるとされており多くのスマホが抱えている共通の悩みであるフレアやゴースト現象が改善されているとしています。また機能としては以前撮影した写真含めたリマスター機能。

さらにPixel 6の消しゴムマジックのような不要なオブジェクトを削除できる機能。さらにフォーカスやシャッタースピードやISO感度などをマニュアル調節ができるPro Video機能。

また前モデルから搭載されていましたがディレクターズビュー機能にも対応しています。新機能の一つとして自動フレーミング機能に対応しており、超広角カメラによってフレーム内で最大で10人までフォーカスが可能に。

さらにポートレートモードが改善されており動物でもより正確にフォーカス。またナイトモードに関しても自動でオンになる仕様が採用されています。ハード的に見れば大きな変更がない一方でSoCとより連携を強化。カメラソフトによる画質の改善が主な特徴に。

このカメラ部分においてSoCの差が出ないのか気になるところですがよりノイズを少なく撮影が可能。さらにディテールを描写しながらも明るく撮影。また低照度の環境でもオートフォーカス機能の改善など。

これは実機で試してみないとピンとこない部分でもあるのでレビューの際にしっかりと確認したいところです。

ちなみに現時点での情報ですがメインカメラセンサーが200MPにUnder Display Cameraの搭載などハード面で大きく刷新されるのはGalaxy S23シリーズに持ち越しだとされています。

発売日と価格。

一部市場ではすでに予約開始。さらに一部市場では2月25日からの発売とされています。あくまでもリークですが認証情報から国内ではauとdocomoからS22とS22 Ultraが発売されると予測されています。

機種名 容量 現地価格 日本円(約)
S22 8/128 €849 10万9100円
8/256 €899 11万5600円
S22+ 8/128 €1049 13万4500円
8/256 €1099 14万1300円
S22 Ultra 8/128 €1249 16万600円
12/256 €1349 17万3500円
12/512 €1449 18万6300円

価格に関しては今後より詳細が明らかになると思いますが現時点で把握している限りだと前モデルから据え置きです。なので単純に据え置きで見ればGalaxy S22が10万円ちょっと。そしてGalaxy S22 Ultraが16万円前後が一つの目処になります。

Galaxy S21シリーズの時はグローバルで1月中旬に正式発表で国内では4月正式発表で4月下旬の発売という流れ。Galaxy S22シリーズはすでに在庫状況が芳しくないこと。

さらに日本が優先市場でないことを考えると在庫状況が落ち着くタイミング。4月以降の発売が妥当な流れなのではないかなと思います。個人的な印象としてはGalaxy S22とGalaxy S22+はあまり魅力的な選択肢ではなく安くなるGalaxy S21など前モデルでもいいように感じます。

一方でGalaxy S22 Ultraに関してはNoteの最新モデルが欲しかった人にとってはかなり魅力的な選択肢だと思います。

現時点で国内モデルに関する情報はありませんがそろそろキャリアにもeSIM対応機種の取り扱いに積極的になってほしくGalaxy S22シリーズのキャリアモデルがeSIM対応で発売されるかで今年の流れが見えるように感じます。

また今回のイベントではGalaxy Tab S8シリーズも合わせて正式発表されており個人的にはGalaxy S22 Ultraのホワイト。またGalaxy Tab S8 Ultraを購入しようと思っているので手元に届き次第レビューをしたいと思います。

(記事更新中)

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