先日にQualcommがハイエンドSoCとなるSnapdragon 8 Gen 1を正式発表。2022年に登場するハイエンドAndroidの多くがSnapdragon 8 Gen 1を搭載するので2022年の命運にも。
ただ動画撮影時点ではSnapdragon888のように発熱や燃費の悪さなどを抱えているか不明。今回Snapdragon 8 Gen 1はサプライヤーが2つに分かれるとされているので簡単にまとめたいと思います。
Samsungが必ずしもハズレではない。
半導体部門で世界トップシェアを誇る台湾のTSMC。地域別で半導体の出荷シェアを確認するとアメリカや中国は15%程度ずつしかないのに対して台湾から出荷されている半導体は50%を超えています。
またハイエンドスマホが搭載する高性能な半導体に関しては少し前のデータだと台湾のシェアが90%。
現在QualcommがSnapdragon 8 Gen 1の製造をSamsungに委託していることからも90%はないですが半導体の世界でTSMCはかなり重要な立ち位置だと思います。
また規制強化の影響で作れなくなりましたがHUAWEIのKirinチップやAppleのAチップにIntelなどもサプライヤーがTSMCとなっています。先日MediaTekが発表したDimensity9000はTSMCの4nmプロセスルールに基づいて開発/製造。
少なくともSnapdragon888のような発熱の問題を抱えていないことが明らかにされています。こうなってくるとTSMC製の方が品質が高く安心という印象。
一方でSnapdragon 8 Gen 1はSamsung製。Qualcommの幹部がSamsungの4nmプロセスルールに基づいてで開発/製造。
爆熱が問題となっているSnapdragon888がSamsungの5nmプロセスルールを採用していることでSnapdragon 8 Gen 1がSamsung製ということで不安に感じる人が多い。
ちなみに発熱が話題にならなかったSnapdragon855やSnapdragon865がTSMC製なので余計にSamsungに切り替えたことが影響したように感じる。
ちなみに歴代SoCでみると爆熱が話題となったSnapdragon810はTSMCで近年最も安定したとされているSnapdragon835はSamsung製と一概にSamsung製が悪いと言えない部分もあります。
Snapdragon 8 Gen 1を搭載した機種のベンチマークなどはすでにリークしていますが発熱や電池持ちは不明。
有名なリーカーはSnapdragon888で発熱の原因となっている仕様がSnapdragon 8 Gen 1でも根本的に解決されていないので引き続き爆熱かもしれないので期待はできないと予測しています。
ただこれは実際に搭載機種を使ってみるまで評価は難しいと思います。発熱はそこそこしたとしても例えばSnapdragon865とSnapdragon888の中間くらいに収まっているだけでもだいぶ印象が変わります。
最初から期待するのは良くないですが心配しすぎという面もあるかもしれません。
サプライヤーが2つに。
そして今回の情報によるとQualcommは半導体のニーズを少しでも満たすためにSnapdragon 8 Gen 1の一部生産をTSMCに委託する可能性があるとしています。
QualcommがTSMCに一部委託をする理由としてSamsungの生産効率の悪さにあるとされています。少なくともSamsungの現状の生産効率では来年も半導体のニーズを満たすことができない。
ただここで問題となってくるのはサプライヤーが違うことで搭載するSoCの品質に差が生まれないのか。搭載しているSoCが2種類あって当たり外れがあると面倒。
話題になったのがiPhone 6sシリーズで搭載しているA9チップはSamsungの14nmを採用しているもの。そしてTSMCの16nmを採用しているものの2種類あり電池持ちなどの面からSamsung製がハズレとされていました。
ただここで注意が必要なのがA9チップに関してはA9チップと名乗っているのに異なる2種類が存在したこと。プロセスルールから違うのでいくらチューニングしても性能差がうまれるのは仕方ない。
一方でSnapdragon 8 Gen 1に関してはTSMCが生産委託を受けるとはいえSamsungの4nmプロセスルールを基にSamsung製と基本同じものを製造するということでサプライヤーに違いがあるだけという感じです。
なのでiPhone 6sの時のように明確に違いが出る可能性は低いのではないかと思っています。
ただ実際のところ不明ですが品質の部分ではどうなのか不明。同じものを作るにしろTSMCの方が品質が高い。また逆にSamsungの方が高いということもあるかもしれません。
Snapdragon888の時もSamsung製はひどくTSMCにサプライヤーを変えたという話もありましたが実際にはSamsungのみが製造しています。ただここで品質に差が生じ結果電池持ちや発熱に差がでるなんてなってきたら正直笑えないですよね。
今冷静に考えるとExynos2100とSnapdragon888では以前と比較すればその差が縮まってきたとされていますが同じSamsungの5nmプロセスルールを採用していること。
そして同じハイエンド向けなのでメインコアの部分や効率コアの部分など共通する部分も多く差が縮まるというのは当たり前なのかもしれません。ちなみにSnapdragon888の方がハイパフォーマンスを維持しやすい。
けどExynos2100の方が電池持ちがいい。Exynosの方が電池持ちがいいとされているのはクロックダウンするのが早く消費電力効率が改善するのが早い。ベンチマークスコアで見ればSnapdragon888の方が高かったですが爆熱は共通仕様でした。
次期Xperiaにも影響?
2021年のXperiaは他のメーカーも同じですがSoCによってその魅力が十分に発揮できなかった感じです。もちろん機種自体の設計の甘さ。
例えばXperia 1Ⅲは世界初の4K/120Hz表示に対応する際に電源回路と駆動回路の開発が難航したとしておりまだまだ回路に改善の余地があるかもしれません。
多くの機種は高リフレッシュレートをオフにした際に電池持ちの改善の恩恵が強いですがXperia 1Ⅲは電池持ちの改善はもちろん発熱に関しても地味に改善する印象を受け設計の甘さを否めない。
そこにSnapdragon888の発熱のしやすさが合わさっていくら放熱対策が強化されているとはいえ発熱がひどい。つまり放熱がしっかりされているため本体がかなり熱くなり評判がいい感じではありません。
Xperia 5Ⅲに関しても5シリーズの特徴といえば発熱のしにくさと電池持ちの良さですがXperia 1Ⅲと比較した場合ソフトでより強く制御されているのか内部温度が上がりにくく電池持ちもいい。
とはいえ前モデルであるXperia 5IIと比較した場合発熱はまだしも電池持ちが悪化しているのは残念です。
来年登場するXperia 1Ⅳの世代はSnapdragon 8 Gen 1の発熱と電池持ちだけを心配したいところですがサプライヤーによって万が一品質に差が生まれその結果当たり外れが出てくるとなるともう面倒ですよね。
仮に今回の情報通りにサプライヤーが分かれた場合出荷時期で線引きするのか。それとも発売地域で分けるのか不明でおそらく確認する方法もないと思います。
Samsungは一時期モバイル部門が企業全体の7割近くの利益を出していたとされていますが直近で見ると20%程度にまでおちついています。これを他の部門が成長したと捉えるべきか。
それともモバイル部門の勢いが落ちたと判断するべきなのか。少なくとも会社の構造改革の一つとしてモバイル部門は家電部門と統合。
さらに共同CEOは3人から2人に減らさせるとしているのでモバイル部門の勢いは失われつつある可能性も。一方でSamsungの稼ぎ頭となっているのが半導体部門です。
Samsungとしても稼ぎ頭である以上死ぬ気でやっていると思いますがTSMCと比較するとなかなかイメージが上がらずSnapdragon 8 Gen 1も爆熱だったらSamsung製=ハズレ扱いになる可能性もあります。
まとめ。
Xiaomi 12がSnapdragon 8 Gen 1を搭載して世界で初めて発売される機種であることはほぼ確定。あとはSnapdragon 8 Gen 1の発熱を調べるために購入するかどうかは非常に悩ましいところです。
おそらくXiaomi 12はSamsung製のSnapdragon 8 Gen 1を搭載していることは間違いないので指標に。2年連続SoCの発熱や何やら気にしなきゃいけないのは正直面倒です。
個人的にはサプライヤーによって品質が分かれる可能性があるのは面倒なのでこの際Samsungに統一して欲しいようにも感じてしまいます。